tag:blogger.com,1999:blog-50015421612752790672024-02-07T12:15:04.424+09:00園長(ゲンちゃん)日記この日記は旭川市の「市民広報」に「動物園からの手紙」として毎月掲載されているものの、ほぼ原文です。なにぶん、原文なので不適当表現や言いまわしがあると思いますが、お許しを・・・。番外編も要注目です。ゲンちゃん画伯が書いた絵も楽しみながら、読んでみて下さい。
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comBlogger174125tag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-59047248828193476212016-02-15T16:20:00.000+09:002016-02-15T16:20:09.013+09:00冬の剥製室に起きる怪奇現象とは…<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
この原稿を書いている時点で18分の1年が過ぎてしまいました。<br />
なんと月日の経つのは早いことか…<br />
例年この時期は来年度の予算の折衝で頭を悩ませています。<br />
動物園は職員の給料も含めて歳入と歳出をイコールになるように組まなければいけないので<br />
なかなか大変なのです。<br />
<br />
今年度はあまり見ることのなかったインドネシアやタイ、<br />
マレーシアなどからの来園者が明らかに増え国際色がより豊かになったように感じます。<br />
ペンギンの散歩でも聞き慣れない言語が飛び交います。<br />
くるぶしまでの靴下にスニーカーなんて格好の人も多くいます。<br />
暑い国が多いアジア圏の中で、<br />
冬の北海道の魅力は計り知れないものがあると思います。<br />
寒さと雪をどう感じてもらうのかをしっかりと見据えなければいけませんね。<br />
<br />
そういえば冬になると毎年起きる怪現象があります。<br />
それは資料展示館の剥製室です。<br />
実は剥製が…鳥肌が立った人ごめんなさい。<br />
そっち系の話はお盆のころにしましょう。実は剥製室にハエがわくのです。<br />
ハエの成虫が飛んで入ってくるのではなく、<br />
たぶん秋に侵入したハエが産んだ卵が孵化し、成長し、蛹になり、成虫になるのです。<br />
日中はほんの少し暖房を炊いているので真冬に目覚めてしまうのかもしれません。<br />
それにしても剥製しかないのです。<br />
剥製は中身がなく皮は薬品処理をされています。<br />
さらに夏場にかけて大量発生することがあるので、<br />
剥製室ごと殺虫剤で燻煙してるのに、<br />
そもそも水分なんてほとんどないはずなのに…凄いもんです。<br />
昔肉がハエになると信じられていたことが分かるような気がします。<br />
まずはハエも季節ごとに発生する種類が違うので、<br />
ちゃんと調べなければ勝負になりませんね。<br />
<br />
もう一つ剥製室のレイアウトは飼育スタッフでつくったのですが、<br />
20数年前にこの枝振りがまさに最適と僕が切ってきた木があって、<br />
その木にも何かが住んでいます。<br />
毎年とても細かい木くずが至る所にたまっています。<br />
恥ずかしながら未だに正体が分かりません。<br />
命が死に、その死から毎年命が誕生し続けます。<br />
管理不足を棚に上げ感動ばかりしているわけにはいきません。<br />
今のところ剥製は維持できていますが、<br />
このままではいつかダメになってしまいかねません。<br />
来園者に見ていただく場所なので、薬剤など安易な方法だけではなく<br />
相手を知り根本的な対策を講じなければと考えています。<br />
まずはもととなるハエの侵入の確率を<br />
限りなくゼロにすることから始めなければと目覚めた年の初めでした。 <br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg2eWtFlrDZzvdZtHeoUE6KmALjS7h5Aebejo99P-fXTAS6ixX_-l0XsnC17aKCfSearJlbleJyEqP9XRyTjuUjTwMggUejTp2jztVkGiZhB0GLuBTW-x2SgDtgpCWgWewW2S7cXUF_pWSF/s1600/zoo.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg2eWtFlrDZzvdZtHeoUE6KmALjS7h5Aebejo99P-fXTAS6ixX_-l0XsnC17aKCfSearJlbleJyEqP9XRyTjuUjTwMggUejTp2jztVkGiZhB0GLuBTW-x2SgDtgpCWgWewW2S7cXUF_pWSF/s1600/zoo.jpg" /></a></div>
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-32193108485477058452016-01-18T17:04:00.000+09:002016-01-18T17:04:45.129+09:00さる山を改修して良い申年に (平成28年1月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
2016年申年の始まりです。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
ヒトもサルだと言うことを謙虚にかみしめる一年にしたいと思います。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
ヒトだけが他の生き物とは異なる次元にいるような錯覚の中で</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
未来を見ようとしているように感じてなりません。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
数を数えられない動物たちが調和を保てて、</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
数を数える理屈をこねるヒトが調和を保てません。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
よい一年になるといいですね。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
旭山的には、とりあえず一年流れてしまったさる山リフォームを</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
今年こそ実現させよい申年にしたいと思います。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
安全と食べることを保証した中で、</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
よりニホンザルらしい暮らしの実現をコンセプトに頑張ります。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
この手紙を書いている時点でペンギンの散歩は始まっていません。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
遅い年には年末ギリギリなんてこともあったのですが、</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
今年は雪が降っては溶け降っては溶けを繰り返しています。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
常に残雪のような状態です。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
中途半端でよくない状況が続いています。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
動物舎の放飼場もグチャグチャガタガタになってしまいます。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
特に初めての冬を迎えているキリンのユイには気を使います。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
ベタ雪は体温も奪うし…。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
そんな中年内最後の動物の引っ越しが無事に終わりました。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
雌一羽になっていたダチョウ舎に</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
山口の秋吉台から雄が来園しペアーとなりました。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
また総合動物舎で一羽での暮らしが続いていたエミューが</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
愛媛のとべ動物園に旅立ちました。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
エミュー舎建て替えの余力、計画はなく、</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
本来は群れで生活する鳥なので</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
とべ動物園で元気に過ごすことを願っています。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
でもエミューを最後にオーストラリアの生き物はいなくなってしまいました。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
オーストラリアと言えば有袋類ですが、旭山にも有袋類がいたことを知っていますか?</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
僕が旭山に入ったころには、ウォンバット、ベネットアカクビワラビー、フクロギツネがいました。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
動物園は短時間に気軽に地球一周ができる場所だと思っていますが、</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
オーストラリア大陸にはいけなくなってしまいました。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
ちょっと残念ではあります。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiubNjkb0wo8QbwgFzye-9nU-In649oTxH0L2CQsPaInPdm8yvBkLgOn-ywibmW4wThaBtp3SdraB8M_A2WbivIUmA4WUEZDBk4Y_F39Qna4oiOSaEkyiFCNpNDPw_aOaUreiirlY8zqRgi/s1600/zoo.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiubNjkb0wo8QbwgFzye-9nU-In649oTxH0L2CQsPaInPdm8yvBkLgOn-ywibmW4wThaBtp3SdraB8M_A2WbivIUmA4WUEZDBk4Y_F39Qna4oiOSaEkyiFCNpNDPw_aOaUreiirlY8zqRgi/s1600/zoo.jpg" /></a></div>
<br /></div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-38626367374931541002015-12-16T11:09:00.001+09:002015-12-16T11:09:35.617+09:00雌のキリンの名前が決まりました (平成27年12月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
冬期の閉園期間もあっという間に終わり、<br />
厳冬期までに終わらせたい修繕などのスケジュール調整に追われています。<br />
来園者に迷惑をかけないように閉園時間の3時半からスタートできるのですが、<br />
なんせ日暮れが早いし寒いので…業者さんも大変です。<br />
無理難題ばかり押しつけているようで申し訳ありません。<br />
<br />
新しく来た雌のキリンの名前は「結(ゆい)」に決まりました。<br />
動物たちも人も皆が結ばれるようにとの理由で命名していただきました。<br />
たくさんの名前の応募があったのですが、<br />
あまり思い入れが強すぎると背負う物が大きくなりすぎるし、<br />
軽いノリでは死んだマリモに申し訳ない気がして選考は長時間になりました。<br />
<br />
名前を公募するたびに思うのですが、<br />
たくさんの方がさまざまな思いを持ち動物を迎え入れているんだなと、<br />
改めてしっかりとした飼育をしなければいけないなと気が引き締まります。<br />
<br />
結とゲンキの同居は順調に進みました。<br />
当初はゲンキもそれほどしつこくはなかったのですが、<br />
日を追うごとに常に結の後ろを追うようになってきました。<br />
ほんと食べる時以外は半径5メートル以内にいなければ気が済まない程です。<br />
マリモの時はゲンキの方が子供で旭山に来たので仕方がないなとも思っていましたが、<br />
まだ小さな結に対してもつきまとうとは困った物です。<br />
ただゲンキも仲間がいなかった期間が長く喜びも大きいのかもしれません。<br />
毎日マリモの尻尾を咥えてついて歩きマリモの尻尾が脱落したのですが、<br />
さすがに結はまだ小さくゲンキが頭を下げても咥えることができません。<br />
その癖だけは忘れていて欲しいと願っています。<br />
結は初積雪にも落ち着いていて雪が滑ることも学び、<br />
滑り歩きも自分の物にしています。<br />
結が来た当初長雨で地面がぬかるみ<br />
適度に滑り歩きをしていたこともよかったのかもしれません。<br />
<br />
話は変わりますが旭山はどこを掘っても粘土地で水はけは最悪です。<br />
キリンの放飼場はかなり地盤の入れ替えをしたのですが<br />
長雨が続くと厳しい物があります。<br />
閉園期間中にぬかるんだ表層を取り除き再整備しました。<br />
でこぼこのまま凍結すると事故につながりかねません。<br />
<br />
この手紙のころ雪は積もっているのでしょうか?<br />
今年の冬は早いのかななんて思いつつキーボードをたたいています。<br />
動物にも皆さんにもよい年で終わりよい年越しができることを願います。<br />
今年も一年ありがとうございました。 <br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgG0LZSA8YzIbUBtSRDPYCt4jfvFEfaiGhG-ul-41v5QdoIQfShhufDt1r1hwx3JFQh8IOrDU3BdA35BAafjq5cpPJMXw5tt_nGVSbsvib0hnOW_MJpqJK-diS6Q8HHh4cKQxVJ81q8EWEX/s1600/zoo.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgG0LZSA8YzIbUBtSRDPYCt4jfvFEfaiGhG-ul-41v5QdoIQfShhufDt1r1hwx3JFQh8IOrDU3BdA35BAafjq5cpPJMXw5tt_nGVSbsvib0hnOW_MJpqJK-diS6Q8HHh4cKQxVJ81q8EWEX/s1600/zoo.jpg" /></a></div>
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-10992642962962112982015-11-18T10:02:00.001+09:002015-11-18T10:02:31.145+09:00雌のキリンを寝室に入れるのに四苦八苦 (平成27年11月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
さてさて、あっという間に夕方5時も過ぎると暗くなります。毎年思うのですが、<br />
10月に入ると急に日が短くなり始めるように感じます。<br />
365分の1づつのペースではないような…<br />
<br />
9月に続き10月も週末になるたびに天気が崩れます。<br />
なんか滅入ってしまいますね。<br />
<br />
10月には無事にキリンの雌、イボイノシシ、<br />
そしてレッサーパンダの仔のお披露目ができました。<br />
新しい命を迎え入れること、誕生することはやはり嬉しいものです。<br />
個人的にはイボイノシシの成長が楽しみです。<br />
上顎の犬歯がどのように伸びていくのか、どこまで大きくなるのか、<br />
どんな行動が観られるのか…興味は尽きません。<br />
<br />
新しく来たキリンの旭山の環境への順応はとても順調です。<br />
アメリカから飛行機で日本に来て、<br />
2週間の検疫を行い陸路旭山にやってきました。<br />
輸送檻をクレーンで獣舎の扉と向かい合わせに置き、<br />
両方の扉を開け寝室内にキリンを迎え入れます。<br />
通常だと輸送檻の居心地はよくないので、<br />
初めての環境に足を踏み出す怖さよりも、<br />
輸送檻から出たい意識の方が強く働くので、<br />
一時間もすると意を決して輸送檻から出てくるのですが、<br />
今回は長旅用の輸送檻で空間も広めで、<br />
寝室のような落ち着く環境になってしまっていました。<br />
いざ扉を開けても輸送檻から出てきません。<br />
彼女のペースで寝室内を覗かせ環境の確認をさせ、<br />
寝室内にはおいしいものもあるよと誘惑を試みました。<br />
扉から首を伸ばして周りを見回し、<br />
手からリンゴも受け取るのですが、前足の一歩がでません。<br />
一呼吸入れて、檻の天井の隙間から細い棒で体を触り、<br />
ここは居心地がよくないんだよ作戦に切り替えました。<br />
<br />
キリンは檻の中でくるくる回り<br />
出口から顔を出すのですがぴたりと止まります。<br />
次に檻に張ってあった、<br />
目隠しの板を外しさらに不愉快な環境にしました。<br />
後一歩で寝室と言うところまでいくのですがダメです。<br />
ここで深追いをするとパニックを起こし<br />
取り返しのつかない事故になりかねません。<br />
あくまで最後は自分の意思で一歩を踏み出させなければいけません。<br />
また一呼吸入れてから、<br />
天井からのプレッシャーをかけつつ檻の横からものぞき込み作戦としました。<br />
移動開始からほぼ4時間、ついにキリンは寝室に入り旭山の住人になりました。<br />
その後もとても順調です。<br />
キリンの雄ゲンキもソワソワ、ワクワクです。 <br />
これから冬を迎えます。<br />
南方系の動物を飼育するのに冬がハンデだとは考えていませんが、<br />
雪が積もると足が滑ることを覚えてもらうこと、これが一番のハードルです。<br />
一度滑り歩きを覚えたらもう心配はいりません。<br />
平地に雪が積もる日もすぐそこに迫っています。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<table cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="float: right; margin-left: 1em; text-align: right;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgwWUMorLqYoafThTYEgI5RKmwa7W09BwFVUafU7HN0prjYmTVkhBxmn6rZMGUylCec_9Z1fMXXVjn0velZjexgc14yEjds9mTaXOby3B0RPuvmlQKxHf57KehEyob8Vyaf7lVW8KWQ0ijQ/s1600/zoo.jpg" imageanchor="1" style="clear: right; margin-bottom: 1em; margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgwWUMorLqYoafThTYEgI5RKmwa7W09BwFVUafU7HN0prjYmTVkhBxmn6rZMGUylCec_9Z1fMXXVjn0velZjexgc14yEjds9mTaXOby3B0RPuvmlQKxHf57KehEyob8Vyaf7lVW8KWQ0ijQ/s1600/zoo.jpg" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">旭山に来園した雌のキリン</td></tr>
</tbody></table>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-29832781602327498342015-10-18T13:46:00.002+09:002015-10-18T14:38:47.407+09:00イボイノシシがやって来た! (平成27年10月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
気温、気候の乱暴な変化が続きましたね。<br />
皆さん体調管理は大丈夫ですか?<br />
<br />
9月上旬にボルネオに完成させた、<br />
ゾウのレスキューセンターに行ってきました。<br />
今年から本格的にゾウの救助が始まりました。<br />
まだミルクしか飲めない子ゾウの保護の急増など、<br />
さまざまな課題が山積しています。<br />
ただ「見える化」できたことで、見学者が訪れるようになる、<br />
現地のマスコミに取り上げられるなど、<br />
ボルネオでの現状に多くの人が関心を持つきっかけとして<br />
大きな役割を持ちつつあります。<br />
<br />
晴天なのですがスモッグが掛かり、<br />
日差しが柔らかかったです。<br />
エルニーニョの影響で、<br />
カリマンタン側で大規模な山火事が続いているためだそうです。<br />
<br />
その影響で昆虫の生活環に変化が出始めているようだとのことでした。<br />
昆虫は植物の受粉には欠かせません。<br />
植物の結実への影響、実を食べるオランウータンなど<br />
動物への影響が出始めているようです。<br />
予測よりも早くさまざまな気候変動と、<br />
その影響が進んでいるように感じました。<br />
<br />
今回の訪問のもう一つの大きな目的は、<br />
恩返しプロジェクトに台湾の台北動物園が協力を申し出てくれたため、<br />
台北動物園の園長も一緒にレスキューセンターなどを見学し、<br />
サバ州野生生物局長など関係する中心メンバーと会議を行い、<br />
今後の協力などについて議論をしました。<br />
アジア圏の保全は欧米主導ではなくアジア圏で行いたい、<br />
との意見の一致を見ました。<br />
今年中にもう一回は行くことになりそうです。<br />
<br />
さて、動物園ではいよいよきりん舎かば館のメンバーがそろいつつあります。<br />
イボイノシシの雄が先発でアメリカの動物園から来ました。<br />
まだ体重は25キロくらいと子供なのですが、<br />
もうあのイボイノシシの風格を醸し出しています。<br />
僕の中でのアフリカのイメージは、「大地」です。<br />
大地と共に生きているのがイボイノシシです。<br />
怖い顔と不釣り合いな細い足と尻尾。<br />
ほふく前進をしながら餌を食べる姿…<br />
皆さんのアフリカに対して抱くイメージを変えるかもしれませんよ!<br />
<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgaV-C3soLix4Sdvg9M5CCW9fww0oSzJZDiqlG5a_KTt8mTtAtO8T7QHjousJpwROCJxndC7_isI1HxmNyVSh1DxtnNGFFaTG0aIO8m-Fn7Z-RQm4bnFt-LteEI1WN8E9TX3ulXrWRuamr5/s1600/%25E3%2582%25A4%25E3%2583%259C%25E3%2582%25A4%25E3%2583%258E%25E3%2582%25B7%25E3%2582%25B7.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="248" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgaV-C3soLix4Sdvg9M5CCW9fww0oSzJZDiqlG5a_KTt8mTtAtO8T7QHjousJpwROCJxndC7_isI1HxmNyVSh1DxtnNGFFaTG0aIO8m-Fn7Z-RQm4bnFt-LteEI1WN8E9TX3ulXrWRuamr5/s320/%25E3%2582%25A4%25E3%2583%259C%25E3%2582%25A4%25E3%2583%258E%25E3%2582%25B7%25E3%2582%25B7.JPG" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">イボイノシシのドゥニア</td></tr>
</tbody></table>
<br /></div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-43514568635218366012015-09-15T09:14:00.000+09:002015-09-15T09:14:02.709+09:00「夜の動物園」を振り返って (平成27年9月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
8月の夜の動物園は、<br />
夕方のゲリラ豪雨と連日の天気予報の午後から雨マークに<br />
残念な思いが募りました。何か疲労感が重く残りました。<br />
<br />
特にゲリラ豪雨は、近年にないくらいの短時間集中豪雨でした。<br />
数年前に続いたゲリラ豪雨の教訓で雨水排水を強化整備して以来初めて破綻しました。<br />
園内洪水でした。<br />
ヒトは右往左往だったのですが、カバの百吉は大はしゃぎ、<br />
雨を全部飲んでやると言わんばかりに空に向かって大きな口を開けたり、<br />
バシャバシャと水中を飛び回っていました。<br />
動物たちには蒸し暑さを忘れる恵みの大雨だったようです。<br />
<br />
夏は日中暑いので動物たちはまったりとして動かないことが多いです。<br />
元気がないのではなく省エネです。<br />
動物は無理をしません。<br />
気候に逆らいません。<br />
旭山動物園がブーム最高潮のころ夏休みの暑い時期は<br />
ホッキョクグマを見るのに一時間くらいの行列。<br />
やっとホッキョクグマを見たお客さんから苦情の嵐でした。<br />
テレビと違う…ホッキョクグマを泳がせろ!何が行動展示だ!<br />
暑い中一時間も並んでお客さんのイライラは最高潮です。<br />
複雑な思いでした。<br />
<br />
でも、旭川の夏は夜になるとかなり涼しくなります。<br />
僕たちも夏の夜は夕涼みがてら家の外に出たくなります。<br />
焼き肉、花火…。動物たちも普段だと夕方には寝室に入るのですが、<br />
夜涼んでもらおうとの思いが夜の動物園開催の大きな動機のひとつでもあります。<br />
<br />
昼間と夜では動物たちの気配が変わります。<br />
特に本来夜に活動が活発になるトラやオオカミ、フクロウの仲間など。<br />
その正反対で夜は寝るサルの仲間も面白いです。<br />
チンパンジーは夜8時ともなると熟睡、爆睡です。<br />
<br />
オオカミの遠吠えと共に夜の動物園は閉園します。<br />
今年は日中は異常に蒸し暑く、夜は過ごしやすい日が続きました。<br />
ほんの短時間のゲリラ豪雨さえしのげば、とてもいい夜の動物園でした。<br />
でもやはりゲリラ豪雨と天気予報の雨マークは来園しようと思っていた<br />
多くのヒトの出鼻をくじいたのではないでしょうか?<br />
<br />
よし雪あかりの動物園でリベンジですね。<br />
天気と天気予報が味方をしてくれますように。<br />
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-78390510081503732732015-08-17T09:31:00.000+09:002015-08-19T12:47:06.828+09:00気付かぬうちに出産したレッサーパンダ (平成27年8月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
今は7月の中旬ですが<br />
きっとあっという間に夜の動物園を迎えることでしょう。<br />
先日天売島に泳ぎに…ではなくて、野良猫の状況や、<br />
海鳥やアザラシに会いに行ってきました。<br />
<br />
もう10年近く毎年訪れているのですが、<br />
毎年新鮮で、つくづく奇跡のような島だなと思います。<br />
100万羽近いと言われる海鳥たちの営みが<br />
これからもずっと続いて欲しいと願わずにはいれませんでした。<br />
元気をもらいました。<br />
<br />
旭山動物園にいる天売野良ネコも少しずつヒトに心を開いてきています。<br />
ヒトと野生動物そしてその間で翻弄される家畜種のネコ、働くネコ、愛玩のネコ…<br />
いろいろと考えさせられます。 <br />
<br />
さて、6月26日に生まれた<br />
レッサーパンダのユーユーの子は順調に成長しています。<br />
ユーユーは初めての子でしたがしっかりと母親をしています。<br />
<br />
ユーユーは2011年中国生まれ、<br />
父親のチャーミンは2011年鯖江市動物園生まれで、<br />
ユーユーとペアを組むために2014年2月に来園しました。<br />
<br />
昨年は、相性は悪くはないのですが、<br />
グルーミングし合うなどのスキンシップが図れる距離に<br />
近づくことがなかなかできずに交尾には至りませんでした。<br />
もっともレッサーパンダの交尾期は2~4月くらいなので、<br />
昨年は初同居がいきなり交尾期だったので<br />
そりゃ無理だよな思っていました。<br />
同居できただけでも大成功だったのです。<br />
その後も同居は順調だったのですが、<br />
チャーミンがじゃれ合おうと近づこうとするのですが、<br />
ユーユーは何かが気に入らないらしく、<br />
吊り橋の左右でにらみ合っていたり、<br />
すれ違う時もそそくさとチャーミンから離れたりという状態が続いていました。<br />
<br />
そして今年の交尾期を迎えました。<br />
残念ながらお互いの距離は縮まらずに、<br />
じゃれ合う姿や、ましてや交尾の確認もできませんでした。<br />
うーんまだ若いし来年に期待かなと思いつつ交尾期は終わりました。<br />
<br />
いつもと変わらず6月26日朝寝室の扉を開けると放飼場に出て行ったのですが、<br />
夕方放飼場で出産していたのです。<br />
胎盤の処理もしていたのですが子は死亡していました。<br />
もしかしてもう一頭産む可能性もあるので急遽寝室に入れ落ち着かせました。<br />
次の日産室の中に赤ちゃんが一頭、赤ちゃんに寄り添うユーユーがいました。<br />
<br />
レッサーパンダの交尾の確認は発情期の行動などから、し易いと思っていました。<br />
過去の出産例では必ず確認できていました。<br />
チャーミンとユーユーはいつ交尾をしていたんだろう?<br />
今までにはないペアーの形なんだろうか?<br />
来年は観察カメラの設置も検討した方がいいのか?<br />
<br />
とにかく今は、子が無事に成長するように見守っています。<br />
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-49843609034837681682015-07-22T16:43:00.000+09:002015-07-22T16:43:11.904+09:00動物たちの多様性を感じてもらいたい (平成27年7月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
さて6月中旬になり、飼育してきたカブトムシの幼虫32匹が蛹を経て続々と成虫になり<br />
腐葉土の上に出てきました。<br />
4月には32匹の幼虫は順調に成長していたのですが、<br />
忙しくてちょっと世話をさぼり、5月下旬に慌てて大きな入れ物に移して蛹にさせようと思い、<br />
慎重に腐葉土を掘っていくと、なんと蛹になっていました。<br />
<br />
小型の衣装ケースだったので、過密な状態で皆ひしめき合って蛹室を作ったと思われ、<br />
皆無事に蛹になれたでしょうか?<br />
あえて掘り出さずに成虫になるのを待ちました。<br />
現在28匹が無事成虫になりました。<br />
<br />
昨年のオス親の成虫の大きさが78ミリくらいだったので、<br />
それよりも大きな成虫になることを目指して、<br />
自分としてはかなりまめに腐葉土を交換してきました。<br />
結果80ミリの立派なオスが出てきました。<br />
自己満足していたら、インターネットでカブトムシ大好きなタレントさんが<br />
88ミリのカブトムシを育てギネスに申請!のニュースを見てしまいました。<br />
ショックに言葉も出ませんでした。<br />
<br />
カブトムシもクワガタムシも幼虫時代の栄養で成虫の大きさが決まります。<br />
子供のころ製材所に積まれた木くずを取りに行っては幼虫を育て、<br />
長い間木くずの交換をしないでいたら、<br />
コガネムシかと目を疑うような小さな成虫になったのを思い出しました。<br />
それにしても幼虫には大きく鋭いアゴがあり腐葉土を食べるのですが、<br />
なぜ仲間を間違ってかじることがないのか、不思議です。 <br />
<br />
落ち葉や腐葉土を食べ分解しその糞が樹木の栄養になります。<br />
成虫になると樹木からでる樹液を食べ栄養をつけ、<br />
またたくさんの卵を腐葉土の中に産む、<br />
きっと幼虫時代が生態系では大きな役割を果たしているのです。<br />
僕たちはどうしても同じ空間、地上にいる姿を本来の姿と思いがちですが、<br />
成虫は命のバトンタッチをする、ほんの短い期間の仮の姿とも言えるのかもしれません。<br />
<br />
水中の世界もそうです。<br />
水中が見えるガラス面がある水族館でイルカのショーがあると僕はひたすら水中を見ます。<br />
水面上での姿よりも水中から飛び出す瞬間、着水してからの身のこなし、<br />
水中での美しさに鳥肌が立つくらいに感動します。<br />
水中が彼らの生活の場なんだと実感します。<br />
<br />
空気よりも密度の高い水中で数百キロの体重があるのに、<br />
あの鋭角的な動きでむち打ちにならないのかと心配になるくらいです。<br />
ヒト基準じゃなく生き物の暮らしを覗いてみると、<br />
ふと全くの別世界を感じることができる時があります。<br />
<br />
多様な感性、感覚、能力があること、<br />
その多様性をふと感じてもらえる動物園でありたいと思います。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-68455970705507724002015-05-25T09:30:00.000+09:002015-05-25T09:30:55.750+09:00新たな挑戦を続けていくために (平成27年5月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
さて恒例の閉園期間、一年で最も忙しい期間なのですが…<br />
今年は過去経験のない早さでの雪解けでした。<br />
閉園して一週間はひたすら雪割り、雪下ろしが全く必要ありません。<br />
何か拍子抜けでのスタートでした。<br />
例年夜にやる作業を日中からやるようにするなど工夫をしながら、<br />
なんとすでにパネル作成や、ヒグマ、さる山のチップ入れ等々<br />
追い込みで行う作業もこなしつつ日々に追われています。<br />
なんと15日現在でこぶしのつぼみが膨らみ始めています。<br />
桜の開花は4月27日と見ました。<br />
さて結果はどうなっているでしょう?<br />
開園の日に桜が満開!<br />
<br />
動物園は従来の飼育展示係、管理係といった縦割りの組織を見直し<br />
スタッフ制に移行したのですが、本格的に人的な交流を深め、<br />
飼育をしていた職員を事務部門のスタッフに、<br />
事務をやっていた職員を飼育部門のスタッフに内部で異動をしました。<br />
旭山開園以来の大変革です。<br />
新たな視点での取り組みや、仕事の価値観の共有など<br />
大変だけど将来の旭山の大きな力になっていくと信じています。<br />
<br />
役所的な発想で右と言われれば左を行く、<br />
それが旭山の原点でもあるからこれからも前進するために、<br />
飲み込まれないためにチャレンジは続けていかなければと思います。<br />
とにかく皆一生懸命頑張っています。<br />
<br />
今年の夏期開園からこども牧場の向かいにあったワシタカ舎を改築して<br />
クジャク舎として生まれ変わりオープンします。<br />
ワシタカ舎の鳥たちはバックヤードに繁殖用ケージを新設して引っ越しました。<br />
クジャクの飛び回るたくましい姿を見ていただきたいなと考えました。<br />
あの長い飾り羽根をぶら下げてほぼ垂直に飛び上がる姿は圧巻です。<br />
鳥本来のたくましさを感じていただけるのではないかと思います。<br />
現在担当者はいかにクジャクの習性を引き出せるのか、<br />
止まり木の配置などに頭を悩ませているところです。<br />
さてさてどんな獣舎に生まれ変わるか楽しみです。<br />
こども牧場ではイヌの飼育も改めて始めます。<br />
秋からの工事になりますがさる山のリフォームも控えています。<br />
今年度もより豊かに命を感じられる場であるために努力をしていきたいと思います。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-30024928398494525572015-04-19T17:28:00.001+09:002015-04-19T17:30:30.563+09:00健康のために始めたペンギンの散歩 (平成27年4月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
もうすぐ新年度です。<br />
記録的な少雪に妙に暖かい日が続きました。<br />
とにかく冷え込みが緩かった、そんな印象でしたね。<br />
そんな中ペンギンの散歩ですが、<br />
例年3月からは一日一回にしているのですが、<br />
今年は3月中旬まで一日二回の散歩となりました。<br />
<br />
キングペンギンは気温がマイナス5度以下くらいになると<br />
自ら水中に入るのを嫌うようになります。<br />
魚は陸上で与えているのでますますです。<br />
食っちゃ寝状態になります。<br />
そこで、食事制限と考えるところですが、<br />
よく動きよく食べる方が健康的なので、<br />
キングペンギンは本来よく歩く鳥なので、<br />
放飼場から出して散歩をさせようということから始めたことです。<br />
最初は閉園後に行っていたのですが、<br />
どうせならばと開園時間に行うこととしました。<br />
<br />
平成14,15年度は本当にお客さんと散歩でした。<br />
お客さんが今よりは少なかったからです。<br />
それでも毎年10万人づつ増えていて<br />
平成15年度は60万人を超え快挙と言われていたんですよ。<br />
そして魔の16年度を迎えます。<br />
一気に観光客が押し寄せるようになりました。<br />
全く人員の足りない中でペンギンの散歩を続けました。<br />
ルールは守ってもらえません。<br />
ペンギンに触る人、ペンギンが取り囲まれる事態も生じました。<br />
飼育係とお客さんのトラブルさらにはお客さん同士で場所取りの小競り合い…、<br />
これが僕たちの求めていた結果なのか?何度ももう止めようと思いました。<br />
散歩の出発前に、ルールマナーを守っていただけない場合は、<br />
散歩を中断して引き返しますとアナウンスをしてから散歩に出かけました。<br />
やり続け言い続け、今では完全とまでは言いませんが、<br />
安心して散歩ができるようになりました。<br />
<br />
話はそれましたが、キングペンギンの換羽は2月から4月に集中します。<br />
3月は換羽中のペンギンが多くなり、<br />
散歩にも出たがらなくなる個体が増えるために、<br />
一日1回にするようにしていました。<br />
今年はなぜか換羽の始まりが遅く一日2回が長くなりました。<br />
ペンギンのために行っているのですが、<br />
今年はお昼から来園されたお客さんもラッキーだったかもしれませんね。<br />
雛2羽もキウィのような茶色のモコモコから親と同じ羽根に生え替わりました。<br />
今年も雛の誕生を楽しみに、当たり前の冬が来ることを祈りたいと思います。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-80770766242342315232015-03-18T17:54:00.000+09:002015-03-18T17:55:31.065+09:00雄も雌も、子育てを学ぶ機会が必要です (平成27年3月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
原稿を書いている今は2月半ばの厳冬期、なはずなのに<br />
じわじわと雪解けが進んでいます。<br />
山の南斜面は土が見えている!どうしてしまったのでしょう。<br />
このままだとペンギンの散歩が3月の早い時期に終了になるのではと、<br />
あり得ないとは思うのですが、もしかしたらと心配になります。<br />
<br />
オランウータンのリアンが第3子を出産しました。<br />
7年ぶりの出産です。<br />
子供から目を離しても心配なくなるまで排卵が止まるオランウータンなのですが、<br />
それにしてもちょっと間が長かったのですが、無事出産しました。<br />
モリト(7歳)が母親にべったりでリアンもなかなか子離れができずに<br />
ジャックとの同居の苦労などいろいろありました。 <br />
<br />
飼育下では、本来ならばまだ母親と過ごしている3歳前後で<br />
他の動物園に引っ越し新たな生活を始めることが一般的でした。<br />
<br />
その理由は、新たな環境になじみやすい(飼育しやすい)、<br />
2次性徴が始まってからだとペアの形成が難しい、<br />
特に雌雄で体格差が大きいので事故の可能性がある(飼育が難しい)、<br />
そして何より小さい方が可愛らしい(報道発表で受けがいい)…<br />
よく考えると皆人間側の理由でした。<br />
<br />
その結果、母親と過ごし、弟妹の誕生に立ち会い、子育てを共有し、独り立ちする<br />
本来の成長過程を踏まないままに大人になるオランウータンが多くなりました。<br />
雌雄で飼育しているのに繁殖しないペアーが多くなりました。<br />
繁殖しても育児放棄し人工保育になってしまう場合も多くあります。<br />
大人になると単独で生活するオランウータンの場合、<br />
出産や子育ての学習の機会は<br />
母親と過ごしている間の一回の出産に立ち会う時しかありません。<br />
<br />
リアンの場合も6歳で当園に来たのですが弟妹ができる前でした。<br />
リアン第1子出産の時は生みっぱなしで触ることもできませんでした。<br />
介添保育を行い母親になりました。<br />
第2子モリトの時はすぐに抱っこしたのですが、<br />
胎盤の処理(食べてしまう)ができずに、へその緒の処置は僕たちで行いました。<br />
<br />
メスの子の場合は、母親と過ごす時間はとても大切だと改めて思います。<br />
ではオスの子は?<br />
飼育下では交尾ができない、メスに対して乱暴といった問題が多くあります。<br />
<br />
やはりオスの子も出産育児を共有することが大切なのではないか?<br />
やんちゃでリアンももてあまし気味なので心配もあったのですが、<br />
今回の出産はモリトも同居のまま行いました。<br />
<br />
今回は完全に処理するまでではなかったのですが、胎盤も食べました。<br />
しかもモリトも一緒にです。<br />
母子2頭、口の周りが真っ赤でした。<br />
そして母親が抱く子をそばでじっと見つめています。<br />
そっと手を出すのですがリアンに怒られます…。<br />
モリトはきっと立派なオスになる。<br />
そう確信できました。<br />
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-16252661365922785702015-02-17T11:31:00.001+09:002015-02-17T11:35:20.208+09:00アムールトラのキリルとザリア (平成27年2月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
さてさて全く冷え込まない日々が続いています。<br />
例年ならばあざらし館のプールの凍らせ作戦や、<br />
雪あかりの動物園のための風船、<br />
アイスキャンドル作りを始めていなければいけないのですが…<br />
週間天気予報とのにらめっこが続いています。<br />
雪も少ないし。<br />
まぁ愚痴っていてもしかたがないのですが、<br />
天候に逆らおうなんて考えてもしかたのないことです。<br />
時を待つしかないのです。<br />
っていいながらこの号がでる頃にはどうなっているのかとふと心配になります。<br />
<br />
先日ネットでニュースを見ていたら、「沖縄でフラミンゴ」の記事が出ていました。<br />
「もしかして!」「生きていたのか(^O^)」「沖縄で捕獲作戦か!」<br />
「作戦はできている!」「沖縄なら楽しいかも(^O^)」等同時に複数の考えが頭を巡りました。<br />
やはり未だに気になっている自分に気づかされました。<br />
<br />
しかし冷静に写真を見ると、<br />
羽根のこげ茶の模様、体型などから1~3歳くらいの亜成鳥であると思われ、<br />
旭山のフラミンゴではないと判断できてしまいました。<br />
どこから来たのか不明、とありましたが、<br />
野生個体の亜成鳥が一羽でということは迷鳥としても考えにくく、<br />
飼育下の個体と考えられます。<br />
フラミンゴは個人でも飼育することが可能ですし、<br />
昔は遊園地などでも飼育されていました。<br />
沖縄でなければ近隣の国の飼育個体ということも十分に考えられます。<br />
<br />
昨年9月にアメリカの動物園から来園したアムールトラ、<br />
たくさんの方からお披露目はまだか?の問い合わせをいただいていました。<br />
オスは5歳メスは4歳でもうすっかり成獣で、別々の動物園で生まれ飼育されてきました。<br />
本来であればもっと早くにペアーを組んでいていい歳です。<br />
個体情報から日本での一般的なトラの飼育方法とは<br />
大分違う環境で育ってきたことがうかがえました。<br />
朝寝室から放飼場、夕方放飼場から寝室というルールで飼育していないようでした。<br />
成獣になってからの環境の変化、特に飼育の仕方の大きな変化への順化は時間がかかります。<br />
<br />
というわけで、寝室から別の寝室への移動から始まり、<br />
個体にストレスをかけないように徐々に旭山の飼育環境に慣れるように<br />
じっくりと時間をかけました。<br />
オスのキリルは後は放飼場に出すまでになっていたのですが、<br />
「たくさんのお客さんを見ると興奮してパニックになる」という理解に苦しむ情報がありました。<br />
<br />
そこで休園期間の正月に放飼場に出してみました。<br />
複数の職員で見守っていたのですが、<br />
当初は檻越しにアタックをしてきたのですがすぐに収まり<br />
となりのライオンにも目を合わせるだけで興奮する様子もありませんでした。<br />
一月の初旬からキリルの放飼、展示を始めました。<br />
メスは?なかなか寝室でリラックスしてくれません。<br />
もう少し時間が必要です。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-12781575239601876712015-01-18T11:00:00.000+09:002015-01-18T11:00:50.775+09:00キングペンギンのひなは散歩に出るか? (平成27年1月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
さてさて皆様は新年をどのように迎えられたでしょうか?<br />
動物的に365分の1日に過ぎないのだと思う一方で、<br />
やはりヒトとしての性で何か特別な通過点であり、<br />
改めての振り返りと新たな前進のスタートの日でありますね。<br />
<br />
昨年はマリモの死、旭子の入園、オオカミ、タンチョウ、レッサーパンダなど<br />
たくさんの命の誕生、アムールトラの入園…たくさんの命との出会い、お別れがありました。<br />
今年はいよいよヨーロッパからイボイノシシ、ロシアからアムールヒョウの来園が決まり<br />
手続きが進行しています。<br />
<br />
施設のリニューアルは、こども牧場前のワシタカ舎をクジャク舎としてオープンすべく<br />
改修工事を行っています。<br />
新クジャク舎のオープンは新年度からとなります。<br />
「クジャクは地面だけにいる鳥ではない」がテーマです。<br />
<br />
さて冬と言えば、すっかり旭山の風物詩となったペンギンの散歩、<br />
その主役はキングペンギンです。<br />
今シーズン初めて茶色の雛が2羽成長しています。<br />
野生であれば雛はクレイシという雛だけの集団を作り、<br />
親鳥が海から捕ってきた餌を運んでくるのを待つのですが、<br />
動物園では親鳥と一緒に散歩に出かけるようになったりします。<br />
<br />
さてこの2羽はどうなのでしょうか?<br />
今までは散歩に出かけたはいいけど途中で嫌になり歩かなくなり、<br />
そのたびに雛だけを抱えてぺんぎん館まで持ち帰ったりとけっこう手を焼かせてきました。<br />
2羽同時に散歩に出て歩かなくなったらどうしようかと今から頭を悩ませています。<br />
<br />
実はこの雛の一羽は、雄同士ペアーに育てられています。<br />
旭山のキングペンギンはもともとメスが少ないこともありますが、<br />
食べ物と安全が保証され「ゆとり」がある環境が大きく影響して、<br />
ある特定の雄がモテる傾向があります。<br />
一羽の雄が2羽のメスと交尾し産卵します。<br />
どちらか一羽のメスが単独で抱卵することになります。<br />
でも抱卵や育雛は2羽で交代しなければできません。<br />
<br />
そこで雄同士ペアーに卵を預ける作戦にしました。<br />
ペアーを組めなかった雄は擬似的に雄同士でペアーを組むものが現れます。<br />
争いを避ける仕組みがあるのだと思われますが、<br />
お互い相手をメスだと思い込むことでペアーになる…<br />
彼らの心境を考えるとちょっと心が痛いですね。<br />
<br />
そのペアーに擬卵を与えると、アレッ!?お互いに相手がほんとにメスだった、<br />
ということになります。<br />
さらに複雑な心境に…。<br />
孵卵器に入れておいた本物の卵が嘴打ちをした段階で擬卵とすり替え、親元で雛が孵ります。<br />
今年はこうして順調に雛が育っています。<br />
暖かく見守っていただければと思います。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-37055243355695699512014-12-21T11:39:00.000+09:002014-12-21T14:00:30.674+09:00冬が大好きなレッサーパンダ (平成26年12月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
さて今年も気づけば師走です。<br />
毎年のことですが、あれもう来年!そんな感じです。<br />
今年を総括すると、動物園らしい賑わい、動物園らしい落ち着き、だったでしょうか。<br />
団体客が減る一方で、それを上回って一般客が増えました。<br />
団体のバスは同じ時間帯に集中するために、時間に縛られたお客さんが我先にと<br />
園内を慌ただしく動き回ることが往々にしてあったのですが、その慌ただしさがなくなり、<br />
自分のペースで過ごすお客さんが増えました。<br />
<br />
平成9年から始まったリニューアルも一段落し、改めて思うのは、<br />
旭山動物園は公立だったからこそできた動物園なんだなと言うことです。<br />
どん底の時代、入園者数を増やすという視点ではなく、足を運んでくださった方に、<br />
つまらないではなく、凄い、すばらしいと感じてもらうにはという視点で<br />
ワンポイントガイドを始めました。<br />
<br />
金銭的な視点ではなく、自分たちの知ったこと感じていることを<br />
来園者に還元するという視点からスタートしたこと、<br />
もう一点はお役所でありながら、来園者と真剣に向き合ったこと、だったように思います。<br />
<br />
数字は結果であり、目的ではなかったことが、旭山動物園が唯一無二の動物園になれた<br />
原点だったのだと思います。<br />
これからも山あり谷ありなのでしょうが、この視点だけは見失わないように<br />
進んでいきたいと思います。<br />
<br />
さて、冬に活発といえば、レッサーパンダですね。<br />
夏は木陰で休むことが多いのですが、冬は雪まみれになって走り回りじゃれ合います。<br />
厳冬期が恋の季節でもあります。<br />
レッサーパンダの仕草はいちいち愛らしく、どこか無防備です。<br />
飼育下生まれだからと言うことではなく警戒心よりも好奇心の方が勝ってしまうような感性、<br />
感覚を持っています。<br />
彼らの棲息地はなんておおらかな懐の深い自然なんだろうと想像してしまいます。 <br />
<br />
<span style="background-color: yellow;">今年も7月27日に赤ちゃんが生まれ</span>、10月の末にやっと放飼場デビューしました。<br />
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgoSP8fcucOECS7o7qKpg4hsH2UzPivt9l9wyjDEOjO8U821wvYcGjTFOtWiz3e7S0UAnnSRX5imhNpIk6ldgNhRzr2ZFKnPnRWq00-uOPaOYR2VewppqYH0fvkTgxWwXInZnQoMTyF2JiI/s1600/10676237_805507966183034_5974807545636966401_n.jpg" imageanchor="1" style="clear: right; float: right; margin-bottom: 1em; margin-left: 1em;"><br /></a>
<br />
まだまだ動きはたどたどしく、離乳も始まったばかりという感じです。<br />
見た目は、ずんぐりむっくり、クシャッとした顔、<br />
円錐形のとってつけたようなしっぽ、たどたどしい仕草…<br />
じっとしていたら間違いなくぬいぐるみと間違われて持って行かれそうです。<br />
<br />
これほど可愛いの方程式にはまった動物はいないのではないかと思えるくらいです。<br />
大人の食べる竹を見よう見まねで口にするのですが、まだまだしゃぶるのが精一杯です。<br />
食べていいものの味を覚え、木の登り方、降り方を覚え一冬かけて一人前になっていきます。<br />
<br />
動物たちは淡々と毎日を過ごしています。<br />
ヒトは慌ただしく師走を過ごしています。<br />
ふと動物に戻りたくなります。 <br />
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgoSP8fcucOECS7o7qKpg4hsH2UzPivt9l9wyjDEOjO8U821wvYcGjTFOtWiz3e7S0UAnnSRX5imhNpIk6ldgNhRzr2ZFKnPnRWq00-uOPaOYR2VewppqYH0fvkTgxWwXInZnQoMTyF2JiI/s1600/10676237_805507966183034_5974807545636966401_n.jpg" imageanchor="1" style="clear: right; display: inline !important; float: right; margin-bottom: 1em; margin-left: 1em; text-align: center;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgoSP8fcucOECS7o7qKpg4hsH2UzPivt9l9wyjDEOjO8U821wvYcGjTFOtWiz3e7S0UAnnSRX5imhNpIk6ldgNhRzr2ZFKnPnRWq00-uOPaOYR2VewppqYH0fvkTgxWwXInZnQoMTyF2JiI/s1600/10676237_805507966183034_5974807545636966401_n.jpg" height="149" width="200" /></a><span style="background-color: yellow; font-family: Helvetica, Arial, 'lucida grande', tahoma, verdana, arial, 'hiragino kaku gothic pro', meiryo, 'ms pgothic', sans-serif; line-height: 20px;"></span><br />
<div style="font-size: small;">
<span style="background-color: yellow; font-family: Helvetica, Arial, 'lucida grande', tahoma, verdana, arial, 'hiragino kaku gothic pro', meiryo, 'ms pgothic', sans-serif; line-height: 20px;"><span style="background-color: yellow; font-family: Helvetica, Arial, 'lucida grande', tahoma, verdana, arial, 'hiragino kaku gothic pro', meiryo, 'ms pgothic', sans-serif; font-size: x-small; line-height: 20px;"><br /></span></span></div>
<div style="font-size: small;">
<span style="background-color: yellow; font-family: Helvetica, Arial, 'lucida grande', tahoma, verdana, arial, 'hiragino kaku gothic pro', meiryo, 'ms pgothic', sans-serif; line-height: 20px;"><span style="background-color: yellow; font-family: Helvetica, Arial, 'lucida grande', tahoma, verdana, arial, 'hiragino kaku gothic pro', meiryo, 'ms pgothic', sans-serif; font-size: x-small; line-height: 20px;"><br /></span></span></div>
<span style="background-color: yellow; font-family: Helvetica, Arial, 'lucida grande', tahoma, verdana, arial, 'hiragino kaku gothic pro', meiryo, 'ms pgothic', sans-serif; line-height: 20px;">※7月に生まれたレッサーパンダの子(メス)の名前は</span><br />
<span style="background-color: yellow; font-family: Helvetica, Arial, 'lucida grande', tahoma, verdana, arial, 'hiragino kaku gothic pro', meiryo, 'ms pgothic', sans-serif; line-height: 20px;"><span style="color: red;">「友友(ヨウヨウ)」</span>です。</span><br />
<span style="background-color: yellow; font-family: Helvetica, Arial, 'lucida grande', tahoma, verdana, arial, 'hiragino kaku gothic pro', meiryo, 'ms pgothic', sans-serif; line-height: 20px;">これからもよろしくお願いします。</span><br />
<br />
<span style="font-size: x-small;">【しいくのぶろぐ】</span><br />
<span style="font-size: x-small;"><a href="http://asahiyamazoo1shiiku.blogspot.jp/2014/12/blog-post_10.html">http://asahiyamazoo1shiiku.blogspot.jp/2014/12/blog-post_10.html</a></span><br />
<br /></div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-40430506682798854812014-11-17T14:08:00.002+09:002014-12-21T11:41:00.092+09:00雌カバの名前は「旭子」に決定! (平成26年11月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
今年は10月に入り近年になく気温の低い日が続いています。<br />
思い返すと昔はこんなもんだったようにも思います。<br />
10月下旬の第3日曜日が閉園日だった頃、<br />
雪の閉園日ということもありましたからね。<br />
<br />
今年は冬タイヤへの履き替えも早めにしなければいけないのかな、<br />
なんて思っています。<br />
地球規模での気温上昇と同時に、気候の不安定化や、<br />
局所的な寒冷化も言われるようになりましたが、<br />
北海道は特に冬の厳しさは昔以上になるのかもしれません。<br />
<br />
昨年から予定していたアムールトラのペアが、<br />
やっと無事にアメリカからやってきました。<br />
どちらもすでに若いけれど、立派な成獣の年齢での来園でした。<br />
新しい環境に慣れる柔軟性という点で、<br />
時間がかかるかなとは思っていましたが、<br />
やはり、特にメスが未だに落ち着きません。<br />
寝室を安心できる場所と認識してもらわないと、<br />
屋外放飼場に出すことができないのですが(寝室に入ってこなくなるため)、<br />
長期戦になりそうです。<br />
ペアリングもまだまだ目処が立ちません。<br />
<br />
さて、メキシコからやってきた雌カバの愛称が決まりました。<br />
仮称「カバ子」と呼んでいましたが、やっと「旭子」と呼べます。<br />
アサ子?昔いなかったっけ?そう思った人も多いのではないでしょうか。<br />
実は2頭いました。<br />
<br />
漢字か、カタカナか、ひらがなか、厳密には定かではないのですが…。<br />
アジアゾウのアサ子と、エゾヒグマのアサコです。<br />
どちらも旭山動物園が開園した翌年の昭和43年から旭山で暮らし始め、<br />
アサ子は平成9年に、アサコは平成11年に死亡しました。<br />
2頭ともおばあちゃんだったのですが、アサ子はちょうど今頃の季節に<br />
足の裏に小さなケガをしてそれがもとで起立不能となり死亡しました。<br />
半年の闘病生活でした。<br />
<br />
アサコは狭い「小獣舎」から現在の「もうじゅう館」に引っ越して、<br />
運動量も増え見違えるほどたくましい体つきになったのですが、<br />
ある日動けなくなりました。<br />
大腿骨の骨折でした。<br />
筋力に骨の強さが伴わなかったことが原因でした。<br />
<br />
この2頭から教えられたことは数えきれません。<br />
揺るがない存在としてのアサ子、アサコでした。<br />
<br />
再整備の節目として完成したきりん舎かば館の、新たな命として来園したカバ。<br />
このカバは百吉と共に、今の旭山の動物たちの誰よりも長生きをするでしょう。<br />
他の動物たちの何代にもわたる営みを見続ける、<br />
そして旭山動物園を見続ける存在になることでしょう。<br />
<br />
旭山の旭子、改めてどうぞよろしくお願いします。<br />
そんな気持ちにさせられました。<br />
旭子の成長と共に旭山動物園も歩んでいきたいと思います。<br />
いい名前をもらってよかったね、「旭子」!<br />
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-74997263985843610892014-10-30T17:59:00.001+09:002014-11-12T13:56:50.126+09:00カバのお嫁さんが室内プールデビュー (平成26年10月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
食べマルシェも終わりすっかり秋の気配です。<br />
メタボ解消と戦いながら食欲の秋を迎えてしまいました。<br />
食べマルシェでは3施設連携がきっかけで<br />
武雄市からイノシシ丼のブースが出ていました。<br />
なぜイノシシ?とふと興味がわきました。<br />
<br />
武雄市では有害駆除したイノシシがゴミとして捨てられていたことに、<br />
こんなことではいかんと、処理工場を建設し<br />
どうしたらおいしくいただけるのかを研究したそうです。<br />
死後30分以内の解体、3回の血抜き、熟成…。<br />
大変な苦労でしたねと話してるうちに、実は北海道に何回も足を運び<br />
エゾシカ協会を始め多くの方にお会いして勉強させてもらったのです。<br />
愕然としました。<br />
北海道に習い北海道を越えていた…。<br />
行政が主体となり地元の味に育て、販路を開拓する。<br />
その根底に命を粗末にしてはいけないとの理念。<br />
う~ん、我々も頑張らないといけないとの思いを新たにしました。<br />
<br />
さて、メキシコの動物園から来たカバのお嫁さん、<br />
室内プールにも慣れ、旭山の一員になりました。<br />
この号がでるころには可愛い名前をつけてもらっていることでしょう。<br />
旭山に来園してからは寝室、寝室間の移動、<br />
屋外放飼場と施設にも順調に慣れ、<br />
いよいよ最後に室内放飼場そう室内プールデビューとなりました。<br />
百吉の足を踏み外し芋虫がのたうち回るように<br />
溺れ沈んでいく姿がどうしても頭をよぎります。<br />
百吉は水底に着地した瞬間に何事もなかったかのように水面に向かい<br />
見事なムーミンジャンプを決めました。<br />
あの深いプールがカバ本来の能力を覚醒させたのだと我ながら感動しました。<br />
<br />
でもふと百吉だからできたのかも…。<br />
かば子(名前が決まっていないのでおい!と呼んでもしっくりこないので<br />
暫定的にかば子と声かけをしています(^^;)」は<br />
カバの中でも運動神経が鈍い方だったら、<br />
かば子溺死!そんな見出しが頭をよぎります。<br />
マイナス思考が先行してしまいます。<br />
いざというときに救助できるよう潜水士の資格を持つ力持ち2名が<br />
パンツ一丁で潜水道具、救助用のロープを用意し待機、<br />
自分は海水パンツでシュノーケリングを用意し陣頭指揮。<br />
<br />
いよいよかば子が室内プールに入りました。<br />
ためらうことなく浅瀬から入水、水中を見回し、水中にダイブ!<br />
それはまるでスローモーションのようです。<br />
水底に着地し辺りを見回します。<br />
息継ぎ忘れてないか?内心ドキドキです。<br />
そして後ろ足で立ち上がるようにゆっくりとジャンプ。<br />
水面に鼻を出し瞬時に息継ぎ、そして潜水。<br />
なんと落ち着いた行動!またも取り越し苦労に終わりました。<br />
<br />
今の心配は百吉の水中アクリルドームをかじる癖。<br />
カバの前歯、犬歯は一生伸び続けるので<br />
木などをかじるのは大好きなのですが、<br />
何もアクリルドームでやらなくても…困ったもんです。<br />
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-91831111258230199492014-09-30T17:48:00.000+09:002014-10-31T16:57:39.483+09:00「ほたるのこみち」 の出発点 (平成26年9月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
お盆で帰省した方にもゆっくりとふるさとの動物園を<br />
楽しんでもらおうと始めた夜の動物園、<br />
最終日の15日、夜の部の一日の入園者数の記録を更新しました。<br />
あの300万人時代よりも多くの方が訪れました。<br />
<br />
ホタルの小道はさすがに行列が延びましたが、<br />
園内にまんべんなくお客さんがいる状況で、<br />
それぞれの施設を思い思いに見ていただけているのかなと感じました。<br />
開園時間の急遽延長などバタバタしましたが嬉しい悲鳴でした。<br />
<br />
そういえばホタルの小道のヘイケボタルですがどこから来てどうなるの?<br />
と多くの方に聞かれます。<br />
元々は夜の動物園が始まったころ、夜ならではのことをやろうと、<br />
自分たちでホタルをほんの数匹採集してプラケースで見てもらおうと始めました。<br />
実はヘイケボタルは身近なところにまだまだいると言うこと、農薬との関係…<br />
お客さんと会話しながらガイドをしていました。<br />
夜の動物園も多くの来園者が来るようになり、<br />
数匹のホタルでは対応の限界を迎えました。<br />
環境に負担をかけないように園内で繁殖させたホタルを見てもらうようにしようと<br />
ホタルの繁殖に取り組みました。<br />
ある程度繁殖は成功したのですが、幼虫の飼育温度環境が高くて<br />
成虫のでる時期が6月から7月にかけてと<br />
自然のリズムよりも早い時期になってしまいました。<br />
<br />
本州にホタルの養殖業者があることは知っていたので<br />
そこからの購入を検討しました。<br />
自然のホタルを乱獲するのではなく、飼育下で何代にもわたり系代し<br />
大量にホタルを発生させていました。<br />
カブトムシの養殖業と同じです。<br />
本州から購入してホタルを見てもらうことに決定しました。<br />
ただし展示が終わったヘイケボタルは北海道のヘイケボタルと同じ種ですが、<br />
発光パターン等が地域によって違うことが分かっているので<br />
安易に北海道に持ち込んで自然に放してはいけません。<br />
<br />
購入するホタルはほぼ全部雄で、<br />
万が一にも周りに繁殖できる環境がない場所で展示することとしました。<br />
購入しておおむね1週間ですべてのホタルの成虫の寿命は10日前後です。<br />
夜の動物園が終わり数日ですべてのホタルが寿命を迎えます。<br />
<br />
ホタルの小道では年配の方が昔はたくさんいたんだよ、<br />
懐かしいねとの会話をよく耳にします。<br />
小川、あぜ、田んぼ旭川の原風景は今でも健在なのに<br />
なぜホタルはいなくなったんだろう?<br />
そんなことをふと考えてもらえたらとの思いがホタルの小道の出発点でした。<br />
今でも細々とヘイケボタルは生息しています。<br />
昔のようにホタルと一緒に育ったお米を食べることができたら<br />
どんなにすばらしいでしょう。<br />
現代の技術の使い方を変えたら可能なのではないかと思ったりします。<br />
<br />
旭川の夏の景色にホタルがいる、夢のある町になれそうです。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-21067682146370229242014-08-30T17:35:00.000+09:002014-10-31T16:59:58.929+09:00アミメキリン、マリモの死 (平成26年8月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
今年は、新たな命の誕生が続いていて、<br />
9月にはキリンの誕生をひかえ、私たちも心待ちにしていました。<br />
過去2回の失敗の反省をし、新しい施設での成功を目指していました。<br />
<br />
マリモは右前足の蹄の形がやや片摩耗して変形していたのですが<br />
これまでは特に悪化することもなく過ごしてきました。<br />
昨年ころから変形が進行していたのですが、歩きにくそうにする<br />
あるいは痛みを示す兆候はありませんでした。<br />
靴の底が小指から踵にかけての側だけが<br />
すり減った状態を想像してみてください。<br />
足の底の面の傾きをくるぶしの関節で調整して<br />
歩いているような状態だったのです。<br />
今年の6月に入り蹄の底の傾きがやや大きくなり、<br />
前足の私たちで言う手首の関節がやや外側に飛び出す形、<br />
表現が難しいのですがO脚のような形になってきました。<br />
<br />
そして6月下旬に関節の腫脹が始まりました。<br />
キリンは脚立のように4本の足のバランスで立っています。<br />
一本でもバランスを崩すと致命傷です。<br />
8月下旬~9月の上旬に出産予定で胎児も大きくなり<br />
母胎への負担も増してきます。<br />
当然蹄を削って修正すればと考えるのですが、<br />
キリンはとても神経質で警戒心の強い動物で、<br />
マリモはヒトが近づくとライオンでも一撃で倒す<br />
威力のある回し蹴りをしてきます。<br />
当然麻酔をしてということになりますが、<br />
麻酔を安全にかけるのが最も難しいのがキリンです。<br />
麻酔がかかり倒れるとき、<br />
麻酔から覚めてがむしゃらに立とうとするときの事故、<br />
今回は出産間近の胎児がいること…<br />
さらに一回の削蹄では解決しません。<br />
<br />
麻酔は確率の低い一か八かに近い選択です。<br />
マリモの状態は幸いに、<br />
足をつけないなどの症状は伴っていなかったので、<br />
胎児に影響しないように、<br />
これ以上悪化しないような保存療法を選択しました。<br />
投薬の効果があり腫脹は改善傾向で、<br />
とにかく無事出産を目指していました。<br />
ひとつ気がかりは雄のゲンキの態度でした。<br />
マリモ依存症とでも言うのでしょうか、<br />
とにかくマリモにまとわりつくのです。<br />
首を打ち付けたり、体を預けたり、<br />
マリモの足への負担を増す危険がありました。<br />
マリモを隔離するとゲンキは放飼場を走り回り<br />
ゲンキが転倒などの事故を起こしかねず、<br />
同居をせざるを得ませんでした。<br />
<br />
死亡当日、ゲンキがまとわりつく中、<br />
マリモは右前足に負重することが困難な状態で<br />
他の3本の足で体重を支えきれずに座り込むように倒れました。<br />
ゲンキを寝室に収容しマリモのもとに駆けつけましたが、<br />
首を持ち上げることもできず、吐いた物が気道を塞ぎ死亡しました。<br />
解剖の結果、手首の関節面の骨折が認められました。<br />
おそらく倒れる直前に右前足に過度の負荷が掛かる<br />
何かが起きたと考えられました。<br />
<br />
すべて結果論にしかなりませんが、残念でなりません。<br />
北海道に行くからとマリモと名付けてもらい、<br />
命をつなぐ環境が整い、これからという思いでした。<br />
おそらくこの手紙が届くころには、<br />
百吉のお嫁さんを迎える準備に追われていることでしょう。<br />
<br />
毎日に悔いがなきよう前を向き続けていきます。<br />
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-1718828798104373822014-07-30T17:31:00.000+09:002014-10-31T16:48:46.739+09:00続く繁殖。子の成長を見に来て! (平成26年7月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
変な長雨が続いた6月でした。<br />
オオカミ、タンチョウの子はスクスクと成長しています。<br />
オオカミはまさに群れ全体で子育てをする姿が見られます。<br />
役割分担、役割の奪い合い…見ているとそれぞれの個体の中で<br />
たくさんのドラマが進行しているのだなと感じられます。<br />
つくづく社会とは次世代を育むために形成されていることがよく分かります。<br />
<br />
タンチョウの雛は体の成長に先行するかのように<br />
足がとても太く指が長くなってきました。<br />
翼はまだ手羽先状態です。<br />
湿地で活発に動き回るためなのでしょう。<br />
足だけを見ると愛くるしい雛の姿が想像できないくらいです。<br />
でもまだまだ甘えん坊で、雨の日などは母鳥の翼に潜り込み<br />
頭だけを出してあたりを見渡したりしています。<br />
その姿がまた何とも言えず、見ている人の笑みを誘っています。<br />
<br />
前回まだまだ続きますと書きましたが、<br />
ホッキョクギツネとシロテテナガザルが繁殖しました!<br />
ホッキョクギツネは5月18日に産声を確認していましたが、<br />
地中におそらく迷路の方に張り巡らされたトンネルのどこかで<br />
子育てをしていることしか確認のしようがなく、<br />
巣穴から出てくるのを待つしかありませんでした。<br />
放飼場を歩くにも地下のトンネルを崩したら大変なので<br />
外周沿いに歩き水の交換や餌やりをする状態でした。<br />
5月中旬頃から、あっちの穴こっちの穴から<br />
モグラたたきみたいに子が顔を出すようになりました。<br />
目撃情報でも頭数はばらばらで一体何頭いて、<br />
無事に生育できるのが何頭か分かりません。<br />
ねずみ色のつぶらな瞳の子狐です。<br />
<br />
シロテテナガザルのモンローは初産です。<br />
6月が出産予定でいつかいつかと<br />
楽しみとちょっぴり不安のいり混じった気持ちで<br />
見守っていたのですが、6月12日夕方近くに放飼場で出産しました。<br />
見事に胎盤の始末もし、後ろ足を曲げて子のおしりを支えていました。<br />
見守る僕たちをよそ目にいつもと変わらない<br />
ダイナミックなブラキエーションを披露していました。<br />
旭山のシロテテナガザルは雄は体毛が黒、雌が茶色です。<br />
子供は茶色のようです。<br />
しわくちゃな顔で両腕をしっかりと母親のおなかに回ししがみついていました。<br />
<br />
新たな施設を建てることもこともワクワクすることなのですが、<br />
やはりそれ以上に新たな命が誕生することの方が、<br />
喜びや励みは大きな物があります。<br />
たくさん生まれると、さてもらい手探しに一苦労などいろいろありますが、<br />
その場所を生活の場として認めてくれたことが繁殖なので、<br />
飼育冥利に尽きるのです。<br />
<br />
子の成長は早いものです。ぜひ皆さんも一緒に見守ってくださいね。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-17565713651814536322014-06-30T17:21:00.000+09:002014-10-31T17:01:00.456+09:00タンチョウに続く繁殖は何でしょう? (平成26年6月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
無事に今年度の開園を迎えることができました。<br />
ゴールデンウィークも好天に恵まれたくさんの来園者がありました。<br />
きりん舎かば館も人気でした。<br />
<br />
カバの百吉は午前中は屋外の放飼場です。<br />
まだまだ成長期なので十分な日光浴も必要です。<br />
ひなたぼっこをして、昼から室内の放飼場に移動します。<br />
すぐにプールで遊び始めるかと思いきや…お昼寝です。<br />
2時半頃まで、爆睡します。<br />
そしていよいよ遊び始めます。<br />
それにしても水中を動き回る百吉は<br />
いつまでみていても飽きることがありません。<br />
閉園後は寝室でたくさん食べて…また寝ます。<br />
それにしてもメキメキ大きくたくましくなっていきます。<br />
これほど全身の筋肉を使っているカバはいないでしょうから、<br />
大人になったらどんなマッチョになるのでしょうか?<br />
ゴンは日本で3本指に入る大きさでしたが、<br />
百吉はどんな3本指になるのでしょうか?<br />
今から成長が楽しみです。<br />
もし昨年来た人が見たらびっくりな大きさになっていますが、<br />
まだまだ子供顔の百吉です。<br />
ぜひ成長を一緒に見守ってくださいね。<br />
<br />
さて今年は私たちも楽しみがいっぱいありそうです。<br />
繁殖です。<br />
ニホンザルに始まりシンリンオオカミ、そしてタンチョウ、<br />
タンチョウは過去2回卵の孵化までは成功しているのですが、<br />
孵化後数日で死亡しています。<br />
今のシロフクロウの展示施設での出来事でした。<br />
雛の翼や足の末端がただれて壊死してしまい衰弱で死亡していました。<br />
ネズミやシデムシ、栄養性の原因さまざま考えて対策をしたのですが<br />
2年目も同じ結果でした。<br />
<br />
新しい施設では外部からネズミなどが侵入できない構造として<br />
繁殖を計ってきたのですが、無精卵が続きました。<br />
いよいよ今年は1卵の有精卵が確認でき、皆密かに期待していました。<br />
昔はなかった監視カメラも設置しました。<br />
待望の雛が孵化しました。<br />
雌が大事に脇の下あたりで抱いています。<br />
問題はなさそうですが念のためにと担当者と獣医で<br />
雛の体のチェックをしました…<br />
なんと翼の指の先端がただれているではありませんか!<br />
<br />
ビデオをチェックすると雌親が執拗なまでに雛の羽繕いをしています。<br />
過去も疑ったのですがまさかと考えていました。<br />
すぐに雌親を隔離して雄親に雛を託しました。<br />
タンチョウは雄雌共同で育雛するので<br />
雄も見事に雛の口元に餌を運び常に雛から目を離しません。<br />
数日が経過し雛の翼には新たに羽毛が生えそろいました。<br />
やはり雌親の過剰な毛繕いが原因だったようです。<br />
雛も日中は活発に活動するので、日中は雌親も一緒にしています。<br />
雌親に抱かれて寝てしまうと危険なので<br />
夜間から朝にかけては隔離しています。<br />
雌親もこのパターンになれてきました。<br />
愛情がとても深いのですが、<br />
雌親にこれはダメだよと教え込むのは難しいことです。<br />
もう少し大きくなれば一日中3羽で生活できるようになるでしょう。<br />
<br />
さてタンチョウの次は…楽しみは続きます。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-56157759449167692512014-05-30T17:27:00.000+09:002014-10-31T17:02:26.641+09:00閉園期間があるから、個性が生まれる (平成26年5月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
久しぶりに春が来た!と感じられる陽気です。<br />
雪解けも一気に進んでいます。<br />
野鳥のさえずりも盛んになり、<br />
空を見上げると白鳥がV字編隊で飛んでいます。<br />
今年は春の開園が4月26日と早いため閉園期間が短く、<br />
皆てんやわんやで作業をしています。<br />
皆エンジンがかかるのが早いのです。<br />
確かに開園期間中には施設観覧閉鎖しなければできない、<br />
手すりのペンキ塗り、舗装の補修、動物舎の改修、<br />
プールの濾過装置のメンテナンス、手作り遊具の新設、<br />
看板の撤去、新設…きりがありませんから。<br />
<br />
思い返すと私が動物園に就職した頃は、冬期間、といっても<br />
10月の下旬から翌年の4月下旬まで実に一年の半分が閉園期間でした。<br />
お客さんから、みんな大変だね、半年間失業するんでしょ、<br />
失業保険もらうの?出稼ぎなの?と真顔で言われたものです。<br />
当時は、冬に開園するという発想もお金もありませんでした。<br />
そもそも冬に開園しても屋外施設は<br />
スキー、スケート場以外人は来ないが常識でした。<br />
でも「日本最北の動物園」ってうたっていて、<br />
冬に閉園している動物園これっておかしくないか?<br />
そんな思いはありました。<br />
人数限定の冬の動物観察会、歩くスキーで動物園を楽しむ会など<br />
試行的に冬を楽しんでもらう企画を徐々に充実させて、<br />
さらに長い道のりをかけて現在の冬期開園が定着しました。<br />
スポーツ系以外の屋外施設で<br />
冬期間これだけの集客をする施設が現れることは<br />
予想だにしなかったことと言われています。<br />
<br />
日本に90以上ある動物園の中で<br />
10年も入園者数上位3位以内を維持している原点は何なのか?<br />
珍しい動物もいないのに…<br />
それは他園とは違う際だった個性なのではないでしょうか?<br />
<br />
そしてこの個性は、旭山開園以来一貫して存在する雪解けの春と<br />
冬囲いの晩秋のまとまった閉園期間から生まれたと言えます。<br />
実際他園間から羨ましがられます。<br />
週一の閉園日があっても、開園していると日常に追われ、流され、<br />
立ち止まりまとまって考えたり具体化したりできない、<br />
旭山のように手書きの情報をこんなにたくさん書いたり<br />
毎年リニューアルしたりとてもできない、<br />
何より動物にだけ向き合う時間を持てること、<br />
向き合った結果を具体化できる時間を持てるのが<br />
羨ましいと言われます。<br />
<br />
実際この期間は春の開園日に照準を合わせて、<br />
看板ははがされ、園路には砂や木材の山が築かれ、<br />
とても開園できる状態ではないのです。<br />
<br />
さて2014年新たな開園に向け頑張りますか。</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-4345066738234970282014-04-30T11:46:00.000+09:002014-10-31T16:42:06.869+09:00エゾシカとの未来~14万頭の命を奪うと言うこと~ (平成26年4月 番外編)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0" style="background-color: white; width: 760px;"><tbody>
<tr><td align="left" colspan="4" width="800">僕は動物園に入った年から、<br />
保護動物として運び込まれるエゾシカと関わり続けてきました。<br />
誤認保護され持ち込まれたエゾシカの子を親代わりになり育て、<br />
交通事故、列車事故で手当のしようのない状況で持ち込まれたエゾシカを<br />
安楽殺したりしてきました。<br />
<br />
そして保護されて命をつなげた個体を飼育し展示してきました。<br />
飼育をとおして、エゾシカのすばらしさや気高さを感じ続けてきました。<br />
エゾシカは間違いなく北海道を象徴する、すばらしい動物です。<br />
<br />
そのエゾシカが害獣として扱われるようになり、<br />
北海道の豊かさそのもの、自然のバランスそのものを<br />
崩壊させてしまうかもしれない存在になってしまいました。<br />
現在北海道では年間十数万頭のエゾシカを<br />
駆除せざるを得なくなってしまいました。<br />
<br />
その中で一次産業の被害額、交通事故の件数、駆除の実績、<br />
駆除の方法、有効利用等々どこか無機質な印象を受ける報道が多く、<br />
将来エゾシカとどう共に暮らしていくのかという<br />
根本的な目指すものがない議論が多いように感じていました。<br />
<br />
14万頭。<br />
ただ生きようとしているエゾシカの側に立って見ると<br />
いたたまれない一面を感じてしまいます。<br />
エゾシカを飼育して見てもらっている以上、<br />
他人事であってはいけないとの思いから<br />
狩猟を始めようと決意しました。<br />
共存の未来のための狩猟、駆除でありたい。<br />
そのためにはとにかく現場に身を置くことからなのだろうと…<br />
<br />
結果として、まだ昨年の一頭しか捕れていません。<br />
が、彼らの暮らす場所に足を踏み入み、そこで暮らす命を奪うということは、<br />
やはりためらいと撃たなければと言う使命感とが入り交じりました。<br />
<br />
生き物を狙うことは、動物園で麻酔銃や吹き矢を使っていたので<br />
変な自信があったのですが、その結果が明らかに違うことは明白です。<br />
スコープに映るエゾシカは、明らかな恐怖ではなく、<br />
本能からとにかくこの場を去らなければと言った<br />
緊迫感のない穏やかな表情をしていました。<br />
<br />
シカを捕らなければ生きていけないわけでもない、<br />
実害を受けているわけでもない自分が今更ながらなぜ?と問い直していました。<br />
狩猟者として向き合っているのか?駆除者として向き合っているのか?<br />
その個体を見ると1分の1の命、全体で見ると14万分の1の命…<br />
まだまだ初心者です。<br />
<br />
生態系の保全のための管理、コントロールの考えから<br />
年間で14万の命を奪わなければいけないことは、たぶん正解なのです。<br />
放置しては自然そのものも我々の暮らしも基盤から崩壊してしまいます。<br />
ただ個々の命の終わり方に正解はありません。<br />
なんだか日本人だなと思ってしまいました。<br />
<br />
ある一定数を駆除しても、また新たな命が誕生し続けます。<br />
じわじわと数を減らしていくのではなく、自然の生態系が保たれ、<br />
農林業の被害も我慢できるレベルまでできるだけ短期的に数を減らす。<br />
その方が奪う命の数は圧倒的に少ないでしょう。<br />
その後は現在のように産業廃棄物として処理せざるを得ない「駆除数」ではなく、<br />
すべてを有効利用できるくらいの<br />
「狩猟数」でコントロールできるのではないでしょうか?</td></tr>
<tr><td colspan="4"></td></tr>
</tbody></table>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhNgZqOv1cCzDPpYxchYSDAI075UNViX2OES4QRxfZ-Q6qlmxDBu1hDpn95ueFKHhBGS1TP8Z2VePPqM1_p5UtQ8M2stUsqJOwDicktrCeoB7mpmz5Ck21sTNHaCd2vc2eBLXEKlC1ZKhw7/s1600/1404a.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhNgZqOv1cCzDPpYxchYSDAI075UNViX2OES4QRxfZ-Q6qlmxDBu1hDpn95ueFKHhBGS1TP8Z2VePPqM1_p5UtQ8M2stUsqJOwDicktrCeoB7mpmz5Ck21sTNHaCd2vc2eBLXEKlC1ZKhw7/s1600/1404a.gif" /></a></div>
<div>
<br /></div>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-9351758027943710882014-03-31T11:36:00.000+09:002014-10-31T16:45:23.419+09:00動物も人間も同じなのかも (平成26年3月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">シジュウカラのさえずりも聞こえ始め春も近づいてきました。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">2回目となった雪明かりの動物園も多くの市民に足を運んでいただき、</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">冬の寒さの生き物を包み込むような暖かさを</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">感じていただけたのではないかと感じています。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;"><br /></span>
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">いや自分で言うのも何ですが冬の夜はとんでもなくいいです。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">雪で音が吸収されてピント研ぎ澄まされた空気の中、</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">雪明かりの中で浮かび上がるように見える動物たちの姿は、</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">生きることの凄みのようなものを感じさせられました。</span><br />
<br style="background-color: white; color: #3c3c3c;" />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">さて最近、モリトの弟妹まだかい?とよく聞かれます。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">モリトも6歳、そろそろ弟妹が生まれていてもいい頃なのですが…。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;"><br /></span>
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">オランウータンは、単独生活が基本です。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">雄は発情期の間だけ雌と一緒にいて交尾をします。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">発情期が終わるとまた別々に暮らします。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">ですから旭山動物園でもリアン(母)とジャック(父)は別々に飼育しています。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">雄は子育てに参加しないので、ヒトのような父親としてこどもを見ていません。</span><br />
<br style="background-color: white; color: #3c3c3c;" />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">モリトが4歳になる頃リアンに排卵が始まった兆候が見られたので</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">ジャックとの同居を何回か試みました。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">ジャックには基本リアンしか目に入りません。モリトは母親にしがみついています。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">近づくジャックに怖さ半分好奇心半分でちょっかいを出したりしています。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">リアンもモリトが気になってジャックが近づくと距離をとろうとします。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">ジャックはモリトがリアンにとって</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">とても大事な存在なのはわかっているので無茶はしません。</span><br />
<br style="background-color: white; color: #3c3c3c;" />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">根気強く同居を続けたのですが、ジャックはリアンとモリトが離れたときに</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">モリトを捕まえようとする行動を取り始めました。そう、リアンに近づくためです。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">不慮の事故になりかねないので昨年来同居は中止していました。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">リアンとモリトが距離を置いても(別々の部屋で過ごせる)</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">大丈夫になるまで待とうと考えました。</span><br />
<br style="background-color: white; color: #3c3c3c;" />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">野生ならば生きるために大きくなったこどもに</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">かまい続けることはできないでしょう。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">本能的にも次代に繋ぐために繁殖を強く望むでしょう。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">こどもにもたくさんの刺激があり</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">親から離れるきっかけはたくさんあるはずです。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">飼育下では生きることに不自由はありません。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">大きくなった子が甘え続けても何の問題も起きません。</span><br />
<br style="background-color: white; color: #3c3c3c;" />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">今年に入りここは心を鬼にしてと、</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">リアンとモリトを別々の部屋に入れて扉を閉めました。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">モリトの叫び声と言ったらこちらの胸も張り裂けんばかりです。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">お互いが見える窓の格子にしがみつき離れません。</span><br />
<br style="background-color: white; color: #3c3c3c;" />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">次の朝、リアンは驚くほど冷静で、扉を開けるとさほど躊躇することなく</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">外の放飼場に出て行ってしまいました。</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">数日でお互いに存在が確認できれば安心なんだといわんばかりになっていました。</span><br />
<br style="background-color: white; color: #3c3c3c;" />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">背中を押してあげないといけないときがある、</span><br />
<span style="background-color: white; color: #3c3c3c;">動物も人間も同じなのかもしれませんね。</span></div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-10653147567238079902014-02-28T11:26:00.000+09:002014-10-31T16:45:38.160+09:00ザブコ (平成26年2月)<div dir="ltr" style="text-align: left;" trbidi="on">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0" style="background-color: white; width: 760px;"><tbody>
<tr><td align="left" colspan="4" width="800">どか雪に厳しい寒さ、冬こそ旭山とはいえさすがに厳しいです。<br />
トイレの水洗化、非公開猛禽類繁殖ケージ、きりん舎かば館の外構工事<br />
過酷ともいえる中での工事が続いています。<br />
<br />
でも安定した過酷な寒さはいいこともあります。アイスキャンドル作りです。<br />
昨年から始めた雪明かりの動物園のために制作しています。<br />
閉園後の3時半、職員総出で一日数百個の風船に水を入れ吊します。<br />
抱きかかえて運ぶのですが、破裂すると悲惨です。結構過酷な作業です。<br />
寒さが安定していると「歩留まり」が高くなります。<br />
<br />
2年目で要領がよくなってきたこともあるのですが、<br />
きれいなキャンドルが続々と完成しています。<br />
今年も東川町に協力をいただき、<br />
一足先に開催された「ひがしかわ氷まつり」で使われた<br />
キャンドルもたくさんいただきました。<br />
<br />
ちょっとザブコに思うことを書かせてもらいます。<br />
開園から旭山動物園に関わり続けている生き物はと考えると<br />
ヒトは誰もいません。<br />
退職などバトンタッチをして顔ぶれは変わっています。<br />
ザブコとワニだけがずーっと旭山動物園で過ごしていたのです。<br />
自分が就職した昭和61年からでも先輩飼育係は全員退職して<br />
自分以外は皆入れ替わっています。<br />
ザブコの目には旭山の46年はどのように映っているのかと<br />
思いながら働いていました。<br />
<br />
自分にとっては旭山での唯一の同僚みたいなところがあって、<br />
偉大な先輩でもあり、ザブコに教えられて育てられた自分がいるように思います。<br />
飼育、飼育環境、繁殖、誕生、成長、老い、死に備えること、そして死。<br />
命を預かることの意味や責任を考えさせられ、<br />
自分なりにこうあるべきなのではないのかと<br />
考えられるように導いてくれたのがザブコなのかなと思っています。<br />
<br />
きりん舎かば館は、百吉が来園して今までの50年これからの50年、<br />
ザブコと百吉が時間をかけてバトンタッチをする施設になると考えていました。<br />
百吉には深いプールを、ザブコには土の放飼場を、と決めていました。<br />
<br />
動物園では動物たちが持っている能力、感性、感覚の<br />
ほんの一部しか発現していません。<br />
少しでも多くその動物らしさを発揮できるようにし、<br />
そのことが生き生きとした姿に繋がり、多くの人の心を引きつけてきました。<br />
ザブコに足の裏から伝わる土を感じさせてやりたい、<br />
46年間コンクリートしか感じたことのない<br />
ザブコに、土の感触がザブコも知らなかったよりカバらしい<br />
感性や感覚が覚醒すると思っていました。<br />
<br />
僕の中ではザブコに対しての最大のプレゼントであり「ありがとう」だと考えていました。<br />
ザブコの死、百吉の成長…<br />
旭山動物園はこれからも命を繋ぐ場であり続けたいと思います。</td></tr>
<tr><td colspan="4"></td></tr>
</tbody></table>
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5001542161275279067.post-64880948791877491722014-01-31T01:34:00.000+09:002014-09-28T11:49:13.196+09:00河馬 (平成26年1月)関係者の皆さんのご協力やスタッフの頑張りにより、<br />
「きりん舎・かば館」を無事にオープンすることができました。<br />
<br />
中でもかば館は、どうしたらカバのありのままの生態を<br />
見てもらえるか、お客さんに楽しんでもらえるかを考えた結果、<br />
自分たちでも見たことがない秘められていたカバのすばらしい、<br />
だけど、どこかユーモラスな行動や仕草をたくさん引き出すことができました。<br />
<br />
百吉はまるでマナティかジュゴンのようです。<br />
<br />
今では息を止めて7分位水中ですごし、水面に鼻と目と耳だけを出し<br />
息継ぎだけしてまた潜っていきます。<br />
<br />
水面から水底から、そして、水中から百吉を観ようとすると<br />
3回息継ぎ分になるので、あっという間に30分くらいが<br />
経過します。<br />
<br />
カバは陸上の草を食べますが、一日の大半を水中で<br />
過ごしています。水中で交尾し水中で出産します。<br />
ただ休むため寝るために水中にいる訳ではないのです。<br />
<br />
これから百吉がどのように成長していくかがとても楽しみです。<br />
そして、早く伴侶を探してあげなければと考えています。<br />
<br />
最新の研究でカバとクジラ類は遺伝的にとても近い<br />
仲間だとの見解が示されていました。<br />
<br />
そんなわけないだろ 何でもDNAじゃないだろと思ってましたが、<br />
水面に浮上する百吉の姿はクジラを連想してしまいます。<br />
「クジラの親戚」という表現が妙に説得力を持つのです。<br />
<br />
今年は馬年です。カバは漢字で河の馬です。<br />
百吉のウマのような仕草を見つけてみようかなと<br />
ふと思ったりしています。<br />
<hr size="1" width="98%" />
<a href="http://www.kuronowish.com/~cgi/rentcnt/" target="_blank"><img border="0" src="http://www.kuronowish.com/~cgi/rentcnt/count.cgi?c_dc=1411835121.969_t=1411835546.842&asahiyamazoo&4&3&&6" title="Kuronowish.com Rental Counter System" /></a>Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/13926855602011581637noreply@blogger.com