2014年1月31日金曜日

河馬 (平成26年1月)

関係者の皆さんのご協力やスタッフの頑張りにより、
「きりん舎・かば館」を無事にオープンすることができました。

中でもかば館は、どうしたらカバのありのままの生態を
見てもらえるか、お客さんに楽しんでもらえるかを考えた結果、
自分たちでも見たことがない秘められていたカバのすばらしい、
だけど、どこかユーモラスな行動や仕草をたくさん引き出すことができました。

百吉はまるでマナティかジュゴンのようです。

今では息を止めて7分位水中ですごし、水面に鼻と目と耳だけを出し
息継ぎだけしてまた潜っていきます。

水面から水底から、そして、水中から百吉を観ようとすると
3回息継ぎ分になるので、あっという間に30分くらいが
経過します。

カバは陸上の草を食べますが、一日の大半を水中で
過ごしています。水中で交尾し水中で出産します。
ただ休むため寝るために水中にいる訳ではないのです。

これから百吉がどのように成長していくかがとても楽しみです。
そして、早く伴侶を探してあげなければと考えています。

最新の研究でカバとクジラ類は遺伝的にとても近い
仲間だとの見解が示されていました。

そんなわけないだろ 何でもDNAじゃないだろと思ってましたが、
水面に浮上する百吉の姿はクジラを連想してしまいます。
「クジラの親戚」という表現が妙に説得力を持つのです。

今年は馬年です。カバは漢字で河の馬です。
百吉のウマのような仕草を見つけてみようかなと
ふと思ったりしています。

2013年12月31日火曜日

キリンとカバの目覚めた姿 (平成25年12月)

いよいよきりん舎・かば館がオープンを迎えました。

最大の難関である動物の引っ越しも無事に終わり、キリン、カバ、ダチョウの
新施設での生活が始まりました。
数日間は新しい寝室で過ごし、寝室の居心地の良さ、
安心を動物たちに感じてもらいます。
と同時に動物が暮らし始めて初めてわかる
設備上のちょっとした不具合の改善なども行います。

動物たちが寝室に慣れた頃を見計らいいよいよ放飼場への扉を開けます。
放飼場にはよりキリンらしくよりカバらしくよりダチョウらしく生活できるよう
新たな工夫がたくさんあります。

果たしてそれらが動物たちに無理をかけるのではなく、ふとその動物らしさを
引き出すようにできたのか?私たちにとっても緊張の瞬間です。

キリンは寝室になじむのも順調で、寝室では施工業者さんと共に悩んだ、
足が滑らない床もほぼ完璧に機能し、
キリンたちは引っ越し当日からとても落ち着いていました。

初めての放飼場は?前からここで暮らしていたかのように落ち着いていて、
悠々と歩き始めました。ふと気がつきました。歩幅が広い!
総合動物舎の放飼場は傾斜があったからなのか?そして走りました。
映像で見るアフリカの大地を走る
スローモーションのような独特なあの走り方です!
あっこれでもう大丈夫!そう確信しました。

次はカバです。おばあちゃんのザブコは新しい環境に戸惑っています。

46年間過ごした景色、険しい段差、体の使い方
すべてが体に染みついていて、
安心快適な新しい世界になじむには
ザブコに一つ一つ納得してもらうしかありません。
初めての土を踏ませてやりたい、はやる気持ちを抑えなければいけません。

百吉は若く好奇心が旺盛です。寝室にもすぐに慣れ、
いよいよ室内プールへの扉を開けました。
なだらかなスロープで入水できる水深1,2メートルの場所までは
すんなりと入っていきました。

ここからがカバの秘められた能力が目覚めるか、
読み違えてないか、の勝負でした。
カバは水よりも比重が重たいので
水中では泳ぐのではなく水底を歩きます。

一番深い水底まではスロープではなく
エイヤッと潜らなければいけない構造になっています。
百吉は、水中を見回しエイヤッとは潜りませんでしたが、
浅い水深のプールの縁を歩き深みの縁で足を踏み外しました。
カッと目を見開き、芋虫のように体をくねらせ沈んでいきました。
溺れた!ドキッとしました。

でも水底に着地した瞬間、百吉は冷静になり、
水面を見つめ地面を蹴りジャンプしました。
まるで空を滑空するように、水面に到達し浅瀬に着陸しました。
秘められたカバの能力が目覚めた瞬間に思えました。

ダチョウは外構工事の関係で、無理をせずに様子を見ています。
とにかく是非見に来てくださいね。

2013年11月30日土曜日

食について考える (平成25年11月)

さて早いものでもうすぐ冬季開園になりますね。
10月はと言うより10月も変な天気でしたね。
自分は台風26号が太平洋側をかすめた日に帯広に行きました。
雪が降り積もる中決死の思いでたどり着いたのですが、
大きな木が目の前で倒れるのを見てこりゃダメかもと思いました。
木の葉が落ちる前にしめった雪が積もったことで、
どの木も大きくしなっていました。
記録的に早い降雪でしたが、
ヒトだけではなく北海道の木でさえも予測できないほど早い降雪でした。
こりゃヒグマも慌てているな、大丈夫かなと心配になりました。

今は、キリン、カバ、ダチョウの引っ越しの準備でてんやわんやしています。
特に大人のキリンを檻どりして引っ越しをすることは
全国的にもあまり行われておらず、旭山でも始めてのことになります。

旭山史上ある意味最大のイベントかも知れません。
と言うこともあり、冬季開園に合わせてオープンするきりん舎・かば館は
現在いる動物の引っ越しがメインとなり、新たに導入予定の動物たちは、
暖かくなる来春に向けて順次導入し、
グランドオープンは来春と言うことになりそうです。
さまざまな機械設備の試運転や手直しなどやることが満載です。

話は変わりますが先日給食のパンに小さなハエが混入していて、
児童にハエの部分を取り除き食べさせていたことが
問題として報道されていました。
マニュアルや異物の定義など
お役所の対応にもっぱら批判めいた論調がされていました。

一般的にハエは公衆衛生上、
さまざまなばい菌などを運ぶ媒介昆虫として問題になりますが
ハエ自体に毒があるわけではありません。
製造出荷の課程で衛生上の問題はなく、
たまたまハエが混入したのであれば、
不快に感じるかは別問題として、
高熱で処理をしたハエは食べてしまっても
衛生上は問題はないわけで、
すべてのパンを廃棄するのではなく
ハエが混入した部分を取り除き給食に供した判断は
必ずしも間違ってはいなかったと思われます。

むしろハエが混入したパンを
食育の教材として活用したらいいのになって思いました。
肯定、否定様々な意見が出るでしょうが、
昆虫食は地球規模での人口増加に伴う
食糧危機を救うキーになる可能性を秘めています。
極論ですがエビの掻き揚げと同じく
養殖ハエの掻き揚げなんて時代が来るかもしれません。

むしろ昆虫タンパクの方が良質かも知れません。
自分も保護される昆虫食の小鳥やコウモリなどに
ミルワームを餌として与えていて、
みんなあまりにもおいしそうに食べるので、食べてみました。
期待に反してさほど美味しくはなかったですが…
でもいざとなれば佃煮にすれば
なんでもいける気がします。

食欲の秋です。ちょっと食について考えてみました。