2007年11月26日月曜日

秋の終わりに (平成19年11月)

夏期開園も終わりました。
今年は新施設もなかったので,
今年の来園者数がどのように推移するのかが,
現状が単にブームなのか,
ある程度の実力を蓄えた結果なのかを占えるのかな,
と考えていました。

結果はチンパンジーの森がオープンした昨年よりも
若干ですが増加しました。
ただし,喜んでもいられないこともあります。
団体ではなく,
一般の来園者や無料つまり子供の来園者数は減っているのです。
さらに,開園40周年7月1日の市民無料開放,
夏期開園終了翌日の市民感謝デー10月22日の来園者数は
想定をはるかに下回りました。
市民離れ,もしかしたら道民離れが加速しているようです。

本来,動物園は観光施設ではないと思っています。
動物たちの誕生や成長,老いや死,個体同士の関わりといった「営み」を
見続けることがとても大切なことだと思い,
そのように見て欲しいと考えてきました。
この視点が今までの動物園には欠けていたから,
珍しい動物に価値があるような見方になってしまったのだと思っています。

でも,営みを見続けるのはふと行きたい時に
足を運べる地元の人たちができることです。
その意味で動物園は地元にしっかりと根付いていなければいけません。
願いとは全く逆の現象が進行しているように思います。
この手紙を読んでいる市民のはたしてどれくらいの人が
動物園に足を運んでいただけたのでしょうか?

今は閉園期間中で,例年になく,たくさんの改修工事をしています。
動物舎関係では,ぺんぎん館の室内展示場の大改造,
イワトビペンギン,キングペンギン,
ジェンツーペンギンの繁殖エリアを充実させます。

彼らは真夏に繁殖するのですが,旭川の夏は少々暑すぎです。
冷房の効いた室内でペンギンも飼育係も安心して子育てができ,
見守ることができるようにします。
特に,体の小さいイワトビペンギンが他種のペンギン,
特にフンボルトペンギンに邪魔されずに
巣を構えられるようにと苦心しています。

「イワトビペンギンは登れるけど,フンボルトペンギンは登れない」が
キーワードになります。
はたして目的が達せられるでしょうか?

その他にも小動物舎,特にアライグマの放飼場に
アライ(洗い)場を新設します。
アライグマが落ち着ける空間になるでしょうか?
それと「こども牧場」の化粧直し。
気づけば10年も経ったのですね。
きれいに直してやりたいと思います。

11月・12月は「行列」はほとんどありません。
皆さん来て下さい!!!