2008年11月30日日曜日

市民感謝開放の日に (平成20年11月)

今日は市民無料開放日,夏期開園が終わりました。
夏期来園者数は210万人と昨年度の一割減でした。
減ったと言っても実質6ヶ月での数ですから,
それはそれで,普段人混みに免疫のないわれわれ市民にとっては,
行くのをためらう数字なのかも知れません。

今日は小春日和でみな思い思いのペースで園内を回り過ごされています。
とてもいい感じです。
いろんなものを背負ってしまった旭山動物園,
これで良しとはならないし,難しいですね…。
どうであれ,来園される方が気持ちよく来園できて,
たとえ混んでいても「来てよかったね」と感じてもらえるような
努力をし続けなければいけないと実感した夏でした。

「来園者のために」を軸に努力をして,
その結果,経済的な利益がついてくる,
動物園に関わる方々にはこの思いだけは共有して欲しいと,
僕たちスタッフは思っています。

さて,明日から恒例の越冬準備です。
今年は期間が短いので大変です。
エゾシカの森の建築も始まることだし。
そういえば久々に誕生したジェンツーペンギンのヒナもあっという間に生長し
水中を泳ぎ回っています。
まだまだ,上手とは言えないのですが…
キングペンギンのヒナは,まだまだ茶色のキウイで,
親鳥のそばから離れず屋外放飼場に出てきません。

このヒナはペンギン散歩に出てきてしまうのだろうか?
ヒナは途中で散歩をやめてしまうから,抱えて戻らなきゃいけないので,
今からどうなるのかな,
なんてことを考えながら日々の成長を見守っています。

今年,ぺんぎん館では鳥マラリアの発生が確認されました。
現在死因調査中のものも含め数羽が死亡しました。
スタッフ一丸となって初期症状での発見,治療を行った結果,
収束させることができました。
カに刺されることで伝染するのですが
(もちろんヒトに感染することはありません)
来年以降の予防対策を考えていかなければいけません。

過去の死亡例を調べてみると
過去にも発生していた可能性があったのですが,
集団発生は今年が初めてでした。
僕たちには感じることができない環境の変化が
起こり始めているのかも知れません。

降雪量の変化や雪解けの早さなどで,
今まで余り問題になっていなかった
道南や道央でもエゾシカが爆発的に増加しそうな気配です。
季節のリズムが変わり始めているのかも知れません。
エゾシカをとおして北海道の自然を考える
エゾシカの森のオープンも急がなければいけないな!
そんなことを思いながら(皆さんには申し訳ありませんが)
つかの間の静かな動物園を満喫させてもらおうっと。