2011年10月31日月曜日

エゾシカの未来 (平成23年10月)

「食欲の秋」ということで
旭川食べマルシェ(2011年9月17日~19日開催)も無事に終わりました。
2回目の今回は旭山動物園も出店しました。

エッと思われる方もいらっしゃるでしょうが、
エゾシカ関連の商品を売りました。
実はエゾシカチップスとエゾシカ石けんを
旭山動物園公式グッズとして売り出したのです。
今回は間に合わなかったのですが
エゾシカセーム皮とエゾシカセーム皮を使ったぬいぐるみも
発売予定です。

エゾシカは在来種にもかかわらず北海道の根幹を揺るがす程数が増え、
全道で64万頭が生息していると言われています。
北海道はその頭数コントロールのために
今年は14万頭の駆除目標を立てています。
狩猟の解禁日を早めたり自治体も独自に「懸賞金」のような形でお金を拠出し
駆除を進めています。

駆除されたエゾシカはどうなっているのか?
昨年はその9割近くがゴミとして処分されました。
北海道の大地の豊かさがエゾシカという命になり
大量のゴミとして処分されていく。
ヒトの都合でエゾシカが住みやすい環境をつくり
その中でエゾシカはただひたむきに生きようとしているだけです。

その結果が今です。
自然のバランスを崩した責任は僕たちヒトにあります。
自然そのものを破壊してしまう程に増えた
エゾシカをコントロールできるのもヒトだけです。
自然のバランスを整える過程で失われる命に対して利用すること、
いただくことが奪った命に報いることなのではないでしょうか。 

家畜の話ですが北海道では開拓時代にヒツジの飼育を始めました。
ところがヒツジを利用する文化がなく、ヒツジの飼育は一時断念されました。
その後ジンギスカンという形で北海道を代表する食文化に育ちました。
エゾシカも僕たちの日常の暮らしの中のおいしい味覚に育て
食文化として定着させることが
エゾシカとの共存の未来を探るカギになると思います。
いつまでも大量の税金を投入しゴミとして処理を続けることは
あまりにも悲しいことに思えます。

エゾシカほど、その姿や暮らし方、美しさが
北海道の四季の美しさ豊かさと重なる動物は
そうはいないと思います。
とても素晴らしく逞しい動物です。

エゾシカを尊く思うからこそ
自慢できるくらいにおいしいエゾシカをたくさんの方に知って欲しい。
大地から大切な恵みとしてみる視点が育って欲しいと願っています。
ヒツジとエゾシカ(ゲン画伯)