2010年4月30日金曜日

共に暮らす未来 (平成22年4月)

今は春の閉園期間中。
毎年何でこんなに手直しするところがあるんだろう?
と思うくらい舗装や器械類の修理などが目白押しです。

今年はホッと一休みができるようにベンチの大増設をします。
トイレ不足解消のためにさる山前に水洗トイレも作りました。
日陰の増設にも取り組みます。
どう変わったのか、今年こそは「混んでるからね」
といわずに皆さん確認しに来て下さい。
そしてもっとこうした方がいいよと意見を下さい。

今年は市民や道北圏の方々に足を運んでもらえるように
頑張っていきたいと思います。
やはり見続けることから、命の大切さを実感でき、
さまざまな生き物と共存する価値観は生まれてくるのだと思うからです。

今年度の始まりは、もうきん舎のオープンから始まります。
じつはこれシマフクロウ舎として整備した施設です。
シマフクロウは現在動物園としては
釧路市動物園のみで飼育し繁殖に取り組んでいます。
一カ所での飼育は感染症などが発生した場合に
全滅の危険があるために、将来飼育地を分散していく方向です。
もちろんいつになるかは分かりません。

しかしその時になって受け入れる施設がなければ
受け入れることもできません。
そのための準備です。
巣箱も釧路スタンダードで準備してあります。
そこにオジロワシなのです。
少し違いはあるのですが北海道の豊かさの頂点にある動物であること、
魚食性が強いことで一致します。 

あざらし館から始まり、絶滅させたオオカミの森、
有害獣と呼ばれるエゾシカの森と
北海道の生き物たちの施設の整備をおこなってきました。
オジロワシも特に冬期間は旭川でもなじみの深い鳥類ですね。
駆除し放置されたエゾシカを食べ
駆除に使った鉛弾も一緒に食べてしまうことで
鉛中毒が大きな問題になったことは
多くの方が知っているのではないでしょうか。

新年度は、さらにタンチョウ舎を新設し、
現在のは虫類舎を北海道産の両生類・は虫類舎に改修します。
地味だと思われるかも知れませんが、
共に生きている生き物の生き方を知らないと
共に暮らす未来を考えることはできませんから…。

皆さん30年後の北海道をテーマに絵を頭の中で描いてみてください。
どんな動物たちがいますか?
僕は少なくとも現存する動物たちにはすべていて欲しいと思います。
そんな未来を選択する北海道でありたいとの願いをこめました。
オジロワシ(ゲンちゃん画伯)