2013年6月30日日曜日

命をつなぐ (平成25年6月)

今年のゴールデンウィークは
自分の記憶にはないほどの悪天候で終始しました。
以降もパットしない天気でしたね。

それにしても5月の下旬になって桜が咲くなんて聞いたこともありませんね。
農作物やお米は大丈夫なのでしょうか?
僕たちの豊かな暮らしは土から生まれていることを
この時期に残雪を見ると切実に実感します。

大型草食獣館(仮称)ですが着実にその姿を表しつつあります。
ワクワクしてきました。名称は「きりん舎・かば館」でいかがでしょうか?
※先日この名称が正式に決定しました
シンプルでパンフレットにも表記しやすいし、
何よりもイベントなど案内時の園内放送でも
分かりやすいと思います。ひねりがなさ過ぎですかね…

秋のオープンに向けて楽しみにしていたのがキリンの誕生でした。
親子3頭での引っ越しを夢見ていました。
現在の施設でのやれることはすべてやり出産に備えました。

キリンの子は出産から2時間以内で起立し
母親の乳首に吸い付き授乳するのですが、
生まれた子は起立することができませんでした。
起立させる補助をしようにも、
母親が私たちが寝室にはいることを許さないため、
仕方なくどうにか母親を屋外放飼場に出し、
点滴、カテーテルでの授乳、保温を行い
夕方までにどうにか自力で起立できるまでになりました。
その間母親は外の放飼場にいましたが
盛んに扉の前に来て寝室内を気にしていました。

夕日が落ちた頃に寝室内で同居させました。
子は座り込んでいたのですが
母親は子の匂いをかぎ舐めていました。
育児を放棄していないことを確認し
一晩そのままにして徹夜で観察することとしました。

子は寝ている時間が長く
結局自力での起立、授乳には至りませんでした。
翌朝母親を外に出し、子の状態を確認しましたが、
想定以上に衰弱が進行していて回復させることができずに死亡しました。
寝室が2部屋しかなく、
親を夜間外に出しっ放しにはできないほど気温が低い中での
最善を尽くしたつもりですが残念な結果でした。
新居での新たな命の誕生を待つことになってしまいました。

そういえば、5月21日なんと園内でヒメギフチョウを見つけました。
こんなに遅くに、驚きでした。
ヒメギフチョウの寿命は1年ですが
その内サナギで約10ヶ月を過ごします。

4月下旬のほんの一時しか飛んでいる姿を見ないのですが
カタクリなどの花で吸蜜する姿はとても美しいです。
園内では在来種の植物をたくさん植えているのですが、
ヒメギフチョウの幼虫が食べるオクエゾサイシンも実はあります。
昨年は幼虫を3匹確認しました。
きっとその内の一匹なのかなと思うと嬉しくなりました。
写真を撮るのにちょっと捕まえてしばらく見とれて、
頑張れよと声をかけ放しました。

また幼虫見れるかな?