2000年9月30日土曜日

10年20年ぶりの動物園(平成12年晩秋)

今年も10月22日で通常の開園が終わり、
今は冬囲いや、建物の補修などで大忙しです。

ぺんぎん館がオープンしてからは記録的な入園者数で、
特に土日は大変で「もっとゆっくり見たかった。」
との声が多く聞かれどうしようもないのですが、
ご迷惑をおかけしました。
換羽や腕輪の情報の不備など、
お客さんの疑問に答える情報も足りなかったり、
小さなお子さんがペンギンを見る踏み台が少なかったりと
反省点がありました。
また出口から入られるお客さんへ
不愉快な対応があったのも反省点です。

来園者の中には、10年、20年ぶりに動物園に来たという方がとても多く、
その人の中の旭山動物園のイメージはそのころのままで、
「ゴリラはどうした?」「片手のシロクマはどうした?」
などの質問が多く聞かれ、
タイムスリップしたようで可笑しかったです。
動物園はこどものための施設ではないと思っているので、
ぺんぎん館をきっかけに「動物園もいいな、また行こうか。」
と感じていただければこんなにうれしいことはありません。
みなさんいかがでしたか?

ペンギンたちは僕が思っていたより新居の馴れるのが早く、
特にジェンツーペンギンは、みんな冷房完備の室内生まれ、
室内育ちだったので、トンボを見ては大はしゃぎ、
太陽の日を浴びて日向ぼっこ、室内は冷房完備で
屋外でも室内でもペンギンが自由に出入り出来るようにしているのですが、
ほとんど屋外で過ごしています。

こないだ初雪が降ったときは、
無数に降ってくる雪を次から次に「捕まえて」いて、
「疲れるだろう、おまえ…」と思ってしまいました。
 恋の季節を迎えあちこちでラブラブなペアーが出来つつあるのですが、
三角関係が多く、さてこの後どうなっていくのでしょう。
ジェンツーペンギンは巣作りも始めているのですが、
雪が降ったら雪を捕まえに行かなきゃならないし、
どうも集中力がありません。

ペンギンは陸上に天敵のいないところで進化した鳥です。
水中を「飛ぶ」ためにたくさんの機能を犠牲に出来たのでしょう。
陸上でのヨチヨチはそのためです。
好奇心が強く、警戒心が弱いかと思えば、変なところで神経質だったり、
飼育してみると今まで飼育してきた鳥とは全く異質なので、
楽しんで飼育しています。
動物の能力を展示することが
動物にも見る側にも気持ちいいぺんぎん館は、
けっこううまくいったかなとちょっと満足です。
雪の中のペンギンも見に来てくださいね。

ジェンツーペンギン

画:ゲンちゃん