今年は北海道でも節電が叫ばれる夏になりそうです。 節電はもとより、暮らし方そのものを考えなければいけないのでしょうね。 原発を補う電力はあるとも言いますが、 ほとんどが化石燃料を使った発電で、 Co2削減の議論はどこに行ってしまったのだろうと思うくらい 話題から消えていますね。 発電ロス、送電ロスを考えると 現時点で電気はエコではなくなってしまいました。 今だからこそ今ではなく10年後20年後を見据えた議論をして欲しいし、 自分たちも真剣に考えなければいけないでしょう。 先月、日本動物園水族館協会の加盟園館長が集まっての 総会と協議会が旭川で行われ、将来の動物園水族館のあるべき姿について シンポジウムを行いました。 その中で「なつかしい未来」という言葉が出てきました。 自分がこどもの頃天気予報は明日の天気しか予報していなくて、 しかも当てになりませんでした。 一週間後の遠足が晴れますようにと、てるてる坊主を窓に下げ、 遠足の日まで毎日朝起きるとドキドキしながら空を見ました。 昔の方が楽しかったなとふと思いました。 同じ動物でも、剥製を展示している博物館は、理論や科学、技術論など 理屈で対象を理解する場です。 動物園は生きた命を見てもらっています。 生きていることは理屈ではありません。 どんなに科学的に理解しても、その日何歩移動するか、 何時何分に糞をするかは分かりません。 科学や技術がどんなに進歩しても生きることの幸せは、 その中からは見えてこないでしょう。 動物園の可能性のすべては ヒトも含めて生き物が集まる場所であることに集約される気がしました。 総会の前日から3日間建物の中で缶詰になっていました。 風も気温も太陽の光も感じることはなく夕日も見ることはありませんでした。 総会が終わり、昼に動物園に戻ったのですが、 動物たちの匂いや気配をとてもなつかしく感じホッとしました。 動物園最高!そんな感じでした。 当たり前のことがこんなに愛おしく感じたのは久しぶりでした。 動物の話が出てこない手紙になってしまいました。 | |||
この日記は旭川市の「市民広報」に「動物園からの手紙」として毎月掲載されているものの、ほぼ原文です。なにぶん、原文なので不適当表現や言いまわしがあると思いますが、お許しを・・・。番外編も要注目です。ゲンちゃん画伯が書いた絵も楽しみながら、読んでみて下さい。