2014年7月30日水曜日

続く繁殖。子の成長を見に来て! (平成26年7月)

変な長雨が続いた6月でした。
オオカミ、タンチョウの子はスクスクと成長しています。
オオカミはまさに群れ全体で子育てをする姿が見られます。
役割分担、役割の奪い合い…見ているとそれぞれの個体の中で
たくさんのドラマが進行しているのだなと感じられます。
つくづく社会とは次世代を育むために形成されていることがよく分かります。

タンチョウの雛は体の成長に先行するかのように
足がとても太く指が長くなってきました。
翼はまだ手羽先状態です。
湿地で活発に動き回るためなのでしょう。
足だけを見ると愛くるしい雛の姿が想像できないくらいです。
でもまだまだ甘えん坊で、雨の日などは母鳥の翼に潜り込み
頭だけを出してあたりを見渡したりしています。
その姿がまた何とも言えず、見ている人の笑みを誘っています。

前回まだまだ続きますと書きましたが、
ホッキョクギツネとシロテテナガザルが繁殖しました!
ホッキョクギツネは5月18日に産声を確認していましたが、
地中におそらく迷路の方に張り巡らされたトンネルのどこかで
子育てをしていることしか確認のしようがなく、
巣穴から出てくるのを待つしかありませんでした。
放飼場を歩くにも地下のトンネルを崩したら大変なので
外周沿いに歩き水の交換や餌やりをする状態でした。
5月中旬頃から、あっちの穴こっちの穴から
モグラたたきみたいに子が顔を出すようになりました。
目撃情報でも頭数はばらばらで一体何頭いて、
無事に生育できるのが何頭か分かりません。
ねずみ色のつぶらな瞳の子狐です。

シロテテナガザルのモンローは初産です。
6月が出産予定でいつかいつかと
楽しみとちょっぴり不安のいり混じった気持ちで
見守っていたのですが、6月12日夕方近くに放飼場で出産しました。
見事に胎盤の始末もし、後ろ足を曲げて子のおしりを支えていました。
見守る僕たちをよそ目にいつもと変わらない
ダイナミックなブラキエーションを披露していました。
旭山のシロテテナガザルは雄は体毛が黒、雌が茶色です。
子供は茶色のようです。
しわくちゃな顔で両腕をしっかりと母親のおなかに回ししがみついていました。

新たな施設を建てることもこともワクワクすることなのですが、
やはりそれ以上に新たな命が誕生することの方が、
喜びや励みは大きな物があります。
たくさん生まれると、さてもらい手探しに一苦労などいろいろありますが、
その場所を生活の場として認めてくれたことが繁殖なので、
飼育冥利に尽きるのです。

子の成長は早いものです。ぜひ皆さんも一緒に見守ってくださいね。