2014年12月21日日曜日

冬が大好きなレッサーパンダ (平成26年12月)

さて今年も気づけば師走です。
毎年のことですが、あれもう来年!そんな感じです。
今年を総括すると、動物園らしい賑わい、動物園らしい落ち着き、だったでしょうか。
団体客が減る一方で、それを上回って一般客が増えました。
団体のバスは同じ時間帯に集中するために、時間に縛られたお客さんが我先にと
園内を慌ただしく動き回ることが往々にしてあったのですが、その慌ただしさがなくなり、
自分のペースで過ごすお客さんが増えました。

平成9年から始まったリニューアルも一段落し、改めて思うのは、
旭山動物園は公立だったからこそできた動物園なんだなと言うことです。
どん底の時代、入園者数を増やすという視点ではなく、足を運んでくださった方に、
つまらないではなく、凄い、すばらしいと感じてもらうにはという視点で
ワンポイントガイドを始めました。

金銭的な視点ではなく、自分たちの知ったこと感じていることを
来園者に還元するという視点からスタートしたこと、
もう一点はお役所でありながら、来園者と真剣に向き合ったこと、だったように思います。

数字は結果であり、目的ではなかったことが、旭山動物園が唯一無二の動物園になれた
原点だったのだと思います。
これからも山あり谷ありなのでしょうが、この視点だけは見失わないように
進んでいきたいと思います。

さて、冬に活発といえば、レッサーパンダですね。
夏は木陰で休むことが多いのですが、冬は雪まみれになって走り回りじゃれ合います。
厳冬期が恋の季節でもあります。
レッサーパンダの仕草はいちいち愛らしく、どこか無防備です。
飼育下生まれだからと言うことではなく警戒心よりも好奇心の方が勝ってしまうような感性、
感覚を持っています。
彼らの棲息地はなんておおらかな懐の深い自然なんだろうと想像してしまいます。 

今年も7月27日に赤ちゃんが生まれ、10月の末にやっと放飼場デビューしました。


まだまだ動きはたどたどしく、離乳も始まったばかりという感じです。
見た目は、ずんぐりむっくり、クシャッとした顔、
円錐形のとってつけたようなしっぽ、たどたどしい仕草…
じっとしていたら間違いなくぬいぐるみと間違われて持って行かれそうです。

これほど可愛いの方程式にはまった動物はいないのではないかと思えるくらいです。
大人の食べる竹を見よう見まねで口にするのですが、まだまだしゃぶるのが精一杯です。
食べていいものの味を覚え、木の登り方、降り方を覚え一冬かけて一人前になっていきます。

動物たちは淡々と毎日を過ごしています。
ヒトは慌ただしく師走を過ごしています。
ふと動物に戻りたくなります。 



※7月に生まれたレッサーパンダの子(メス)の名前は
「友友(ヨウヨウ)」です。
これからもよろしくお願いします。

【しいくのぶろぐ】
http://asahiyamazoo1shiiku.blogspot.jp/2014/12/blog-post_10.html