2005年5月27日金曜日

レッサーパンダを『見せ物』にしないでね

最近レッサーパンダの見るに耐えないニュースが氾濫しています。

どこのレッサーが何秒立った!
レッサー様々入園者が増えた!
名前を登録商標!
昔のエリマキトカゲのブームを思い出してしまいました。
いや,エリマキトカゲの方がまだましだったかもしれません。
あれは良くも悪くも野生下でも見られる特徴的な行動だったから。

野生のレッサーパンダが普遍的に何十秒も直立する,
あるいは立って歩く習性があって,
これまで飼育下では
その行動を引き出してあげられていなかったのであれば「凄い!」ことです。

しかし,よく考えてみて下さい。
そうではないですよね。
あの取り上げかたは「芸」です。
「見せ物」です。
というかレッサーパンダは解剖学的にも2本足で立つことは当たり前にできます。
むしろ立つことができない個体がいるとしたらその方が問題です。
「芸」以下ですね。

レッサーパンダは外を覗きたい,エサをもらえるかもと立ち上がっているだけで,
その行為だけを抜き取って「凄いこと」として取り上げています。
「ここのレッサーパンダ立たないんだって。
つまんない」これがレッサーパンダブームが招いたレッサーパンダの見方です。

このような言い方は失礼かもしれませんが,一般の方やマスコミの方は素人です。
私たちプロの側が,素人に短絡的に「受けること」を続けていていいのでしょうか?
来年の今日,どれくらいの人がこのブームを覚えているでしょうか?

レッサーパンダを「見せ物」にしないで下さい。
関係者の方お願いします。